誘う力

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  • 歌を望みない方へ誘う力は、私だけの考えでも、すくなくとも三つはある。 折口信夫『歌の円寂する時』より引用
  • 夏の夕暮れには、人を感傷的な思索へ誘う力があるようだった。 石田衣良『電子の星 池袋ウエストゲートパーク4』より引用
  • 見ている方には全然分らなかったが、アネサは誘う力を自然にうけて、いきなり棒をふり下し、ふり払ったのである。 坂口安吾『落語・教祖列伝』より引用
  • 人を一時の恍惚こうこついざなう力は有っても、自分の常の日の心細さを、まぎらすには足りなかったのである。 柳田国男『木綿以前の事』より引用
  • 春には、人を眠りに誘う力がある。 野村美月『文学少女シリーズ08 “文学少女”と神に臨む作家 下』より引用
  • 新しい心理学が試みた仮面の破壊作業が、もし、一層真面目な内的経験に人々を誘う力を蔵していないのなら、それは全く無意味な仕事だ。 小林秀雄『考えるヒント』より引用
  • 私が去年の夏、旅先で仕事をしようとして、ノートブックを用いることにした原因の一つは、この幼い記憶、幼い快感が、私を誘う力となっていたことも事実である。 坂口安吾『小さな山羊の記録』より引用
  • そして、非現実的なるが故に、模倣を誘う力弱く、専らカタルシスの作用を行うものだと信じている。 江戸川乱歩/紀田順一郎編『江戸川乱歩随筆選』より引用
  • 教授の間のびした声が、その説明しているコイルのまわりにゆっくりとぐるぐる巻きつき、コイルがその抵抗のオームを加えるにつれ、声の睡気を誘う力を二倍、三倍、四倍にしていった。 ジョイス/飯島淳秀訳『若き日の芸術家の肖像』より引用
  • 実際、白雲が知識の足らないために、芸術を理解することの妨げを痛感して、泥棒を捉まえて縄をうよりも、モット緩慢な仕事を、この画面の前で始めたのは、事のそれほど、画面そのものが白雲の研究心を誘う力あるものと見なければならない。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 総じてこの「じゃぼ」には、七つの恐しき罪に人間をさそう力あり、一に驕慢きょうまん、二に憤怒ふんぬ、三に嫉妬しっと、四に貪望とんもう、五に色欲、六に餮饕てっとう、七に懈怠けたい、一つとして堕獄の悪趣たらざるものなし。 芥川竜之介『るしへる』より引用