試してやろう
18 の例文
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よく考えてみれば、リディアが勝つにはキスされなければならないのだが、そう気づいたのはもっと後のことだ。とにかくそのときは、エドガーを試してやろうという気分にもなっていた。本当のところ、彼がリディアのことを、軽く見ているのかそうでないのか、確かめたい気持ちがあったのだろう。
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が、その眼が和合の力を試してやろうという挑戦の気で光っている。和合は、こんなときに引く男ではない。
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見た目は優雅で温厚そうな雪乃だが、これでもかなり負けず嫌いなのだ。ちょっとこの娘の腕を試してやろう、と雪乃が思ったのも自然な流れだったかもしれない。「それは素疇らしいですね」 雪乃はそこでいったん言葉を切って、強い意志の籠った視線を愛香に投げつけた。
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亭主持ちの女たちの身持ちがよく分かったので、あたしは今度は関心を人足から立派な旦那衆にまで移してみたの。この人たち全部、とりわけ坊さん、僧侶を試してやろうと思ったのよ。あたしがとっても嬉しかったのは、あたしの旦那殿がそれを知っていただけでなしに、それを理解していたことなの。
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きっと近いうち、天気のいい夜に先生は帰っておいでなさるよ。月の知識をいっぱいおみやげにして、それをわれわれ哀れな人間に試してやろうということでね。まあ、見ているがいい。
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よかろう、受けて立ってやろう。剣が強いか、魔法が強いか、試してやろうではないか!無限の魔力の前に、剣がいかに無力であるかこのわしが教えてやるわ!!
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そうすると掴む襟がないから、あいつは一瞬考える、そのスキにやっちまえ。一度試してやろうと思ってる間に、郷里へ帰っちゃった。安藤 あれは真面目な奴だったんだ。
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耳たぶのほうから上に向かって順にあけてもらうのだけど、上にいくにつれて痛くなる。片方に七つもあけたのは、やけっぱち、どこまであけられるか試してやろうという気持ちもあった。七つ目で痛くてたまらなくなり、やめた。
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芳崖にしてみれば、こんな毛唐に日本画のほんとの価値がわかるものか、と思った。しかし、せっかくきたのだから、ひとつ試してやろうという気になり、この外人を旧藩主の毛利家へつれて行った。そして同家所蔵の美術品をいろいろと出して見せたが、感心した様子はなかった。
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その言葉の意味は、私にも判らない。彼の幽霊マンションでの殺人計画に、いったん疑われてみせる、という策が当初から含まれていたのか、火村の存在を知ってからそれが加わったのかは知らないが、いずれにせよその火村センセイとやらを試してやろうと考えはしたのだろう。自分の計画が火村の探偵としての能力を凌駕していたら大いに満足だし、彼に勝てなければそれもいい。
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よし、この言葉をもういちど試してやろう、と私は思った。そして、文字通り、朝から晩まで『四部録』にうなされつづけた。
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城兵はもとより狙撃したのではない。彼の度胸を試してやろうと揶揄ったものである。その間に、城主の耳へ報じられていたものとみえて、山路弾正のすがたが、櫓に見えた。
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しかし、近年は、これをやらないと、夏の日中には仕事ができないから、今でもやらざるを得ないのである。戦争中、燃料がなくて秋になっても風呂が燃せなくなったから、ままよ、いつまで水風呂に入れるか、ひとつ試してやろうと考えた。また一ツには、いずれ本土も戦場になって、寝るに家もないような事態をむかえるかも知れないから、観音様の縁の下で冬を越している乞食に負けないような体質を用意しておこうと考えたせいもあったのである。
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桐原は、三津田の言ったように〝うるさい注文をつけてくるのではないかと思われた〟だけではない。松尾に「半生の記」の代筆を依頼しようと決めたとき、彼の中には松尾の力量を試してやろうといった気持ちがあったはずなのだ。
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よくあることだが、この子が少しのあいだ母親の乳を飲んだ時分、侯爵は妻がどれほど我慢強いか、ひとつ試してやろうという気になった。いったんそういう奇妙な欲求がおこると、どうしても思いとどまることができなかったほど強く、彼はその欲望にとらわれてしまった。
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つぎにあたったのはジョオだった。「あなたのもっともわるいところは」フレッドは、自分の欠点をジョオも持っているかどうか試してやろうという気で言った。
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テューリアン人は生来の用心深さから何よりも安全第一を心懸け、〈シャピアロン〉号が充分太陽系を離れるまでは行動を起こすまい、とブローヒリオは読んでいた。中継装置の破壊を優先したのもそのためで、また、それによってテューリアン人がいかにおめでたいか、ちょっと試してやろうという狙いもあった。破壊は異星人に敵意を抱く地琢人の仕業だと信じ込ませることができればしめたものである。
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