見降す

20 の用例 (0.00 秒)
  • 鼻にかかった低い声で言いながら、道子はひざの上の自分の手を見降した。 米谷ふみ子『過越しの祭』より引用
  • 芝生の丘から見降すと、いつの間にか弟や妹達はそこに来てしまつてゐる。 牧野信一『駆ける朝』より引用
  • 「そうかい、」と彼はいった、彼はそこに立って、妻を見降していた。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 下巻』より引用
  • 眼を開けると、大きくて厳めしいラドフォオド夫人が彼を見降していた。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 下巻』より引用
  • 彼女の方を見降した時、ミリアムは彼の青い眼がきらきら光っているのを見た。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 中巻』より引用
  • 或る日の夕暮、彼は露台バルコオンへ昇って暮れて行く下の海を見降みおろしながら考えた。 横光利一『花園の思想』より引用
  • 居住棟のあちこちにも、こちらを見降している顔があった。 矢作俊彦『東京カウボーイ』より引用
  • 焼けっ原を見降しながら、山崖の草いきれの中で私達はゆめをみた。 久坂葉子『灰色の記憶』より引用
  • 見ると、守吉が崖の端にしやがんで、私の机を見降してゐた。 牧野信一『泉岳寺附近』より引用
  • 椅子の腕木を把んだ王は背筋を伸ばし胸を張り、あごを引いて彼女を見降していた。 半村良『魔女街』より引用
  • それならこれはたしかに一種の名誉の戦死だと思い、すぐ私は二階へ上って加藤家の方を見降した。 横光利一『睡蓮』より引用
  • 矢代はまたさっき見降した女中の手の赤味を思い出した。 横光利一『旅愁』より引用
  • 私は掌を額に翳して遥の彼方を見降したが未だ村は見へなかつた。 牧野信一『ピエル・フオン訪問記』より引用
  • 右の方を見降すと、遥か下まで楡の梢が続き、時々河の流れる音が聞えて来た。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 下巻』より引用
  • 海辺に建てられたこのホテルは、荒波あらなみが岩をがけを見降している。 赤川次郎『さびしがり屋の死体』より引用
  • 見降すと、自分の影も二つあり、その一つは動いていた。 ニーヴン&パーネル『悪魔のハンマー〔上〕』より引用
  • そして何か物を言ふ毎に眼蓋を伏せて静かに自分の鼻を見降しながら、着物の襟を掻合せるのが癖だつた。 牧野信一『淡雪』より引用
  • 桃の花が盛りのころで、坂から見降すと村の家々は薄紅色の花で埋もれてゐた。 牧野信一『陽に酔つた風景』より引用
  • 釣り橋の上から、Nと並んで欄干にもたれて下を見降してゐたツル子が声をかけた。 牧野信一『山を越えて』より引用
  • 無邪気そうに笑いながら、竜子が戻ってきて、犬神の頭部近くに立ち、見降した。 平井和正『狼の紋章』より引用