見上げる眼

15 の用例 (0.00 秒)
  • 二人は話をやめて、いっとき部屋の鴨居のあたりを見上げる眼になったが、地震はわずかに家の柱をきしませただけで、やがて揺れは夜の闇の中に消えた。 藤沢周平『回天の門』より引用
  • こちらも、すぐにふり向いたが、Dを見上げる眼には、驚きばかりが強かった。 菊地秀行『吸血鬼ハンター11a D-ダーク・ロード1』より引用
  • 尾鳴の顔面には汗がにじみ、男具那を見上げる眼は充血していた。 黒岩重吾『白鳥の王子 ヤマトタケル 1 大和の巻』より引用
  • こう言って見上げる眼に星は映らず、襲いかかる巨大な影のみが広がった次の瞬間、彼は虚空に舞い上がっていた。 菊地秀行『吸血鬼ハンター12b D-邪王星団2』より引用
  • 見上げる眼に光があった。 松本清張『かげろう絵図(下)』より引用
  • 偶像を見上げる眼は笑ってはいない。 奈須きのこ『Fate/stay night 桜 Heavens Feel NormalEnd 櫻の夢』より引用
  • 少女の一杯に見ひらいた眼が、私の見上げる眼とバッタリ出会うと、彼女は此の世の人間には見ることのできないような、一種不思議な羞恥の表情を示して、隠れるように首をうしろに引いた。 江戸川乱歩『孤島の鬼』より引用
  • 谷を見降ろし山を見上げる眼に、波うつ雪の白さがうす紫に霞んで見え、足もとのあたりからぼっと金色の光彩の打ちあがって来る中に、自分の影だけ長く後に倒れかかっていた。 横光利一『旅愁』より引用
  • メグレを見上げる眼眸まなざしには、こんなつまらない話ばかり続けて申しわけないと詫びる色があった。 シムノン/水谷準訳『サン・フォリアン寺院の首吊り人』より引用
  • 宮城と秋葉に頭を下げた位置で、ぎろりとおれを見上げる眼線には、疑惑と本能的な憎悪がこもっていた。 菊地秀行『トレジャー・ハンター05 エイリアン怪猫伝』より引用
  • 昨夜とはうって変った淑やかさで化粧も絶えず気をつけ、彼を見上げる眼も細かい心遣いに生き生きと変化し、些細な買物にも久慈のままに随った。 横光利一『旅愁』より引用
  • しかし、この頃になって読み直してみると、ここに、朝顔の宮を、源氏がもの狂おしいほどの恋心で追い求めるのは、朝顔それ自身というよりも、当時としては朝顔だけに残されている「気品」とか「位」とかいうものに、源氏の恋人に求める、見上げる眼が自然に集まって行った結果に外ならないと思う。 円地文子『源氏物語私見』より引用
  • 旗を上目づかいに見上げる眼とまつ毛、口を開いて国歌をうたいながら、のどが乾くのか舌があらわに見える。 吉田満『鎮魂戦艦大和(上)』より引用
  • 見上げる眼がもうじんわりと濡れている。 平岩弓枝『鏨師』より引用
  • ビリーを見上げるが紅い。 古橋秀之『ブラックロッド』より引用