見上げるやう

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  • 大勢が一時に窓から山を見上げるやうにした。 吉江喬松『霧の旅』より引用
  • 見上みあげるやうないはおもてに、とぼしいみづが一めんしろツかかりながらちてゐた。 小島政二郎『海燕』より引用
  • それを見るためには、その女が彼よりずつと背が高かつたので、彼はほとんど見上げるやうにしなければならなかつた。 堀辰雄『ルウベンスの偽画』より引用
  • 彼女は進められるまゝに、腰を下しながら、横に立つてゐる青年を見上げるやうにして云つた。 菊池寛『真珠夫人』より引用
  • 見上げるやうに高い、横もがつしりとした男である。 島木健作『一過程』より引用
  • 古損木こそんぼくになりかけの一本の見上げるやうな高い樫の大木の下までくると彼は猿のやうによぢのぼり始めた。 小熊秀雄『小熊秀雄全集-15』より引用
  • かうさゝやきながら、三千代みちよ見上みあげるやうにすがつてた。 小島政二郎『海燕』より引用
  • それが見上げるやうに高い。 堀辰雄『馬車を待つ間』より引用
  • 昔は見上げるやうに巨きいがらんだつたのだと、鶴石が説明してくれたけれども、少しも巨きかつたと云ふ実感が浮いて来ない。 林芙美子『下町』より引用
  • 瘠せぎすの、見上げるやうな、眼鏡の奥で瞬きをし続けてゐる、まだ三十をいくつも出てゐないらしい五分刈の書生つぽを、彼女はそこに見た。 岸田国士『荒天吉日』より引用
  • それにしても、『みさやまたうげ』は見上みあげるやうなけはしい山坂やまさかでした。 島崎藤村『ふるさと』より引用
  • 非常に高い臺石の上に、又衣冠束帶の銅像が立つてゐるから、見上げるやうに高い銅像でしたな。 吉川英治『折々の記』より引用
  • もしあの宮殿に番兵が立つてゐたのだつたら、夏休みになると選りに選つて午後二時ごろの日盛りを、中学の帽子をかぶつた下品ではない小柄な色の白い少年が、あの見上げるやうな高い鉄柵の前の篠懸の並木道を、何気ない振りをしていつまでも往きつ戻りつしてゐるのを不思議に思つたに違ひない。 神西清『母たち』より引用
  • 彼女らの方からは、いつも其小さい硝子窓から見上げるやうにすると逞しい男らの黝ずんだ姿が、家とは反對な高みをもつた道路の上に、幾本ともない太い嚴丈な棒杭のやうに、あるものは永い間佇んだりしてゐるのが見えた。 室生犀星『蒼白き巣窟』より引用
  • 壮観な市々まちまちの中を、青銅の車に乗つて 見上げるやうに美しかつたかのシベールが、 走り廻つてゐたといふ時代を私は追惜します。 ランボー・ジャン・ニコラ・アルチュール『ランボオ詩集』より引用
  • 松崎中佐といふ、見上げるやうな大きな、容貌魁偉の軍人さんにお逢ひしたのは近年だ。 長谷川時雨『日本橋あたり』より引用
  • どこ吹く風、まつたくさういふ男で、五尺八寸五分ぐらゐ、大男の私が見上げるやうな大男で、感動を表すといふ習慣が全然ない、怒ることもなく、笑ふことだけはある。 坂口安吾『ぐうたら戦記』より引用
  • 裏手へ廻ると見上げるやうな石段が続き、登り詰めたところに奥の院があつて、その辺はひつそり閑としてまさに春たけなはだつた。 福永武彦『第六随筆集 秋風日記』より引用