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動詞
名詞
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肺はあえぎ、眼はちかちか痛むなかを、やっとのことで通った。この土地が見かけほど正常な場所でないことにやっと気がつきはじめた。彼女は驚異的速力で駆けつづけた。
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地方の目立たない小都市や村々の中へもちまわされる映画の性質とそれを観せられる人々の生活とのいきさつも複雑であると思う。東京では見かけないような特殊なものが地方まわりをしているらしい。啓蒙をめざされているとしても、感情や主題が非現実的で中央ではまさかこうは表現されないが、というようなものであれば、結局どういうことになるのだろう。
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甲州は海を有たない山国で、甲府はその盆地に位する都であります。町を歩いて店を覗きますと、他の国には見かけないものが二つあります。一つは水晶細工で一つは「印伝」であります。
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見れば、手代の新吉。河岸どおりから姿を見かけて、約束どおり店からここへ駈けてきたのだ。「お、新吉さんでございます」 言葉を合せると、往来の者へも聞こえよがしに。
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彼が彼女に与えた説明では、まったく不充分だった。それならば、なぜ彼女をあそこで見かけたのがそれほど嬉しかったのか?
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いっこくも早く、このいまいましい森をぬけて、ひらいた土地へいきたいわ。それにわたしたちは、あんたのほかに、何も見かけなかったんですもの。
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長い黐竿をかついで池の方へ通う近所の子供等も二階から見えた。そのうちに岸本は家の方から往来の片側を通って来る兄の姿を見かけた。やがて義雄は階下から楼梯を登って来た。
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そしてハンス・ハンゼンはしゃべっていたが、トニオはほんの時たま、取ってつけたように、へへえとか、うんうんとか、合の手を入れるばかりで、ハンスが話に夢中になって、また彼と腕を組み合わせてくれたことにも喜びを感じなかった。それはただ意味のない、見かけだけの接近にすぎなかったからである。やがて二人は停車場の近くで土手を降りると、列車が一つ、不器用に急いで轟々と通りすぎるのを見ながら、暇つぶしに車台の数を数えて、最後の箱のてっぺんに、毛皮にくるまって乗っている男に合図をした。
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しかし彼の友人たちはぜんぶ死んだか、投獄されたか、ないしは彼と連絡しようとするのを恐れているかのいずれかだった。というのは、彼は信頼できる人間を一人として見かけなかったからだ。そこを去ってティマルに帰るべく、わたしがかなり高度をあげながら、ずっと湖の上のほうまで旋回すると、その見とおしのよい地点から、ジャンターが湖の遙か下方に艦隊を発見した。
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そのうちの海水帽をかぶつた方は、お前の母らしかつた。もう一人の方は、この村では、つい見かけたことのない婦人に見えた。黒いパラソルをさしてゐた。
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そこへ病院から電話で、今白痴が息をひきとつたといふ報せがあつたのである。私は白痴のゴミタメを漁つて逃げ隠れてゐる姿を見かけたことがあつた。白痴の切なさは私自身の切なさだつた。
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そこへ病院から電話で、今白痴が息をひきとったという報せがあったのである。私は白痴のゴミタメを漁って逃げ隠れている姿を見かけたことがあった。白痴の切なさは私自身の切なさだった。
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その噂がどうして彼の所まで伝わったかはわからない。ただ彼らを国で知っているある人が、姉を見かけたというのである。彼女はパリーにいた。
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では何者かを見かけたのか?もし見かけたのだとすれば、それはアメリカから来た者でなければならない。その理由は、彼女はイギリスへ来てから間もないのだから、ひと目見ただけでこれほどの心境の変化を来たすほど、彼女に強い支配力をもつ知りあいはこの国にいるはずはないからだ。
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彼の行動に関する別の報告がポートゥックストからやってきた。家族の友人の何人かが驚くほど何度も、遠くから彼を見かけたのだ。彼はロードス・オン・ザ・ポートゥックストの岸やカヌー小屋をうろついているように見え、後にウィレット医師が現地に行って質問したところ、彼の目的はむしろ土手の方に紛れ込むことで、河に沿って北上し、再び戻って来るまで通常大変に長い時間がかかった。
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この白釉で長方形の深めの流を作りますが、信楽以外には決してない品であります。同じこの白で厠に取りつける朝顔を作りますが見事な形のを見かけます。信楽の一部をなす神山はその土瓶でよく知られました。
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だれもやつらの誕生した場所や時代は知らない。こいつを見たおれたち同様、やつらを見かけた連中はみんな口を閉じている。ときおり、古書の中で、おぼろげな霧に包まれているやつらの噂を見かける。
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