衰えた肉体

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  • あれは私の病みおとろえた肉体には、え切れないくらいの重荷なのです。 高木彬光『幽霊西へ行く』より引用
  • 唯一生き残ったブロンスキーは、あの怪物が兵士強化実験の成れの果てであることを知り、衰えた肉体を強化するために実験に志願する。
  • 瀕死ひんし世捨人よすてびとの怒りと恐怖はグロテスクなまでにふくれあがり、衰えた肉体にわずかばかり残っている体力さえそこないかねないありさまだった。 ラヴクラフト全集4『04 「冷気」』より引用
  • もう六十を過ぎているのだから、それも当然といえばいえるが、せ衰えた肉体、ボロにちかい衣服を見ては、それが八丈島の悲風惨雨にさらされたからとしか思われなかった。 山田風太郎『叛旗兵』より引用
  • 泉が流れ、あの道路工夫が毎日出かけて公道の石を槌で叩いて、みじめな無知な魂とみじめな痩せ衰えた肉体を養ってゆくわずかなパンの屑を稼ぎ出しているあの村にも、ひとつ変わったことがあった。 ディケンズ/本多顕彰訳『二都物語(上)』より引用
  • UFOの飛来目的、策源地は必ずしも明らかではないが、優れた技術力をもっており、衰えた肉体の臓器を地球人のものによって代替する目的が示唆されている。
  • その衰えた肉体からだの中に柴田は、女盛りをいくらか過ぎた女のような、なまな、執拗な嫉妬を、貯蔵している。 森茉莉『甘い蜜の部屋』より引用
  • 痩せ衰えた肉体にモカブラウンの薄っぺらなショーツだけを身につけた女は、鉄格子の根元にうずくまり、目から涙をあふれさせてこちらを見上げている。 大石圭『殺人勤務医』より引用
  • 明暗の対比を強調した画面構成、老いた聖人の衰えた肉体やたるんだ皮膚をも美化せずに容赦なく描写する写実表現にはカラヴァッジョの影響がうかがえる。
  • 給仕が音をききつけたろうか、それともあの、ぶらぶら歩きしたり、足を止めて木立を、彼らの衰えた肉体を隠すだけの蔭をまだつくらぬ木立を眺めやる、いつも絶えることのない、人目を忍ぶ二人連れが。 ウルフ/鈴木幸夫訳『波』より引用
  • 衰えた肉体と、傷ついた精神に鞭うって、「玄鶴山房」の緻密な布置と設計に基づく本格的な作品を完成してから、あやしい戦慄をこめた「歯車」で、「この世の地獄」へおちた自分のすがたを描いて見せた。 臼井吉見『大正文学史』より引用