行リ
全て
名詞
18 の例文
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お前がやったのか?そして、昼間の中に自分の行李を焼けない所へ持って行って置いたのか?おお、それが低能の証拠なのだ!
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私はここに当分います。私は部屋の壁に、行李に入れて持って来たキリストの額を掲げました。そして淡青い窓掛の下で中世の宗教的なクラシックを好んで読んでいます。
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このためこの間に将兵の4分の1が凍死または落伍した。特に行李の運搬手はわずかしか残らず、彼らもみな荷物を放棄していた。倉石大尉は夕刻になっても今だに炊事用の銅釜を背負っている山本徳次郎一等卒を見かねて釜を棄てさせた。
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旅の最中の爆燎は、常に槍の形を取り綾春の手の中にあった。綾春と初めて出会った時も、槍を持った綾春が行李を背負っていたのだ。人の姿をした爆燎が、行李を背負った方が綾春には負担が掛からないはずだ。
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それから支那人の大きな手が、いきなり山男の眼の前にでてきたとおもふと、山男はふらふらと高いところにのぼり、まもなく荷物のあの紙箱の間におろされました。おやおやとおもつてゐるうちに上からばたつと行李の蓋が落ちてきました。それでも日光は行李の目からうつくしくすきとほつて見えました。
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冬の夜が白むころだ。葡萄畑には、山西勝子が死体入りの行李を置いて寒そうに番をしていた。「待たせてすまなかったな」 田中は、勝子の肩を抱いて労った。
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「兄さんは」 「今来るでしょう」 「もう話は済んだの」 「済むの済まないのって、始めからそんな大した話じゃないんです」 自分は母の気を休めるため、わざと蒼蠅そうにこう云った。母はまた行李の中へ、こまごましたものを出したり入れたりし始めた。自分は今度は彼の女に恥じて、けっして傍に手伝っている嫂の顔をあえて見なかった。
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しかるに何ぞ図らん、君は余よりも前に、同じ境遇に会うて、同じ事を企てられたのである。余は別れに臨んで君の送られたその児の終焉記を行李の底に収めて帰った。一夜眠られぬままに取り出して詳かに読んだ、読み終って、人心の誠はかくまでも同じきものかとつくづく感じた。
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そこは八畳くらいの部屋で、壁の隅には行李や風呂敷包などが置いてある。構造からみて、仲間部屋のようなのが、この書生の住居とみえた。
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城内の学校まで毎日行李を背負って400里以上の道を歩いて登校した。その後奉天中法中学に転校し、17歳にて卒業、官費で貧しい家計を支えるため、また中国人を虐げる侵略者を追い出すため、両親を説得して郭松齢が東三省陸軍講武堂西院に設置した東北陸軍軍官教育班に入隊。
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いろいろあって、なんだか日本にいるのも嫌になって、外地に行って一旗揚げようと思った。行李いっぱいの着物を処分して、神戸に行って、そこから船に乗ったんだ。ちょうど今ごろの季節だったかね。
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運命とは元来かくのごとく不器用なものであろう。今朝着くはずであった資料の行李は事故のために明日まで到着せぬことになった。焦だたしい時間をまぎらわすためにこの黒い手帳をめぐって起った出来事をありのままに書いて見ようと思う。
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そこは、日頃はあまり開け閉めをすることのない納戸のなかだった。子供は古い行李を積み上げたところにもたれて眠っていたという。
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おちかは急いで立つて、街路がそこからまつすぐ見通せる玄關横の應接間にはいつて窓から見た。行李を地におろし、こつちに背を見せながら若い男が金を拂つてゐる。季節にはまだ早いはねあげたとんびの袖の間からは、あきらかに自分が手がけて縫つた着物の柄がのぞかれた。
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私は破れた行李を出して、その中に座蒲団を敷き母をその中に坐らせる。早く夜明けが来ればいいのだ。
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それから筆を措かずに二つ三つ書いた。そして母の手紙だけを将校行李にしまって、外の手紙は引き裂いてしまった。午になった。
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私は国を立つ時それを中学の旧友に預かってもらいました。それからその中で面白そうなものを四、五幅裸にして行李の底へ入れて来ました。私は移るや否や、それを取り出して床へ懸けて楽しむつもりでいたのです。
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