行き尽す

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  • 未荘はもとより大きな村でもないから、まもなくき尽してしまった。 魯迅『阿Q正伝』より引用
  • 一度は、異郷の旅を行き尽して再び故国へと彼の心の向うように成った時だ。 島崎藤村『新生』より引用
  • 町を行きつくして村境むらざかいに出た。 岡本綺堂『飛騨の怪談』より引用
  • そこをただ北へ行き尽しさえすればソ連があるということが、いつも村尾の心に甘くささやきかけていた。 城山三郎『忘れ得ぬ翼』より引用
  • 目を塞いだ間に行き尽すことが出来るのも、其為である。 折口信夫『妣が国へ・常世へ』より引用
  • 庭を東へ二十歩に行きつくすと、南上がりにいささかばかりの菜園があって、真中まんなかくりの木が一本立っている。 夏目漱石『坊っちゃん』より引用
  • しかもこの浜辺を行き尽すと、すぐにまた山が海になだれ込んだ奇巌地帯となるらしい。 福永武彦『第二随筆集 遠くのこだま』より引用
  • 彼女かのぢよ彼女流かのぢよりうに、子供こどもたいする気持きもちめて、つくすところまでいてゐると安心あんしん海野うんのむねた。 小島政二郎『海燕』より引用
  • 人の家の路地のような所を十間ほど行き尽して、門の手前から板橋をこちら側へ渡り返して、しばらく川の縁を上ると、もう人は通らない。 夏目漱石『三四郎』より引用
  • 胸壁の下に来て見ると、そのリンネは深く十米ほどのチムニーをなしているらしく、その入口まで尾根の行き尽した所から横に深い裂け目が走っている事を知って喜んだ。 小川登喜男『一ノ倉沢正面の登攀』より引用
  • 天上を行き天下てんげを行き、行き尽してやまざるてい気魄きはくが吾人の尊敬にあたいせざる以上は八荒はっこううちに尊敬すべきものは微塵みじんほどもない。 夏目漱石『趣味の遺伝』より引用
  • 退屈な三日の旅行の末に、陰鬱な田園の間を行き尽して、わしはわしの管轄すべき寺院の塔上にある風見の鶏が、森の上から覗いてゐるのを見た。 ゴーチェ・テオフィル『クラリモンド』より引用
  • 前面及び左右ともに直立しており下から見ると、ほとんど取付く事も出来ないように思えたが、近付いて見ると尾根の行き尽した正面の右に入っている一本のリンネが、唯一の可能なルートを示している。 小川登喜男『一ノ倉沢正面の登攀』より引用
  • 一歩の空間を行き尽した靴は、光るこうべめぐらして、棄身すてみに細い体を大地に托した杖に問いかけた。 夏目漱石『虞美人草』より引用
  • 街道を行き尽して、鎮守の森を迂回しながらDの村へ差しかゝらうとする馬頭観音の前で冬子とYに出遇つた。 牧野信一『波の戯れ』より引用
  • 津田がその小路を行き尽してきあたりにある藤井の門をくぐった時、突然ドンという銃声が彼の一間ばかり前で起った。 夏目漱石『明暗』より引用
  • 四谷の大通りを行き尽すと、どうしても暗い寂しい御堀端を通らなければならない。 岡本綺堂『半七捕物帳』より引用
  • 日本堤を行き尽して浄閑寺に至るあたりの風景は、三四十年今日こんにち、これを追想すると、恍として前世を悟る思ひがある。 永井荷風『里の今昔』より引用
  • 育つて来た過程が「なよたけ」であつて、行き尽した所が今ある「竹取物語」だとすれば、竹取に到達して却て、剰つたり、崩れたり、馴れすぎたりした所がある筈だと思つてよい。 折口信夫『「なよたけ」の解釈』より引用
  • 理想の大道たいどうを行き尽して、途上に斃るる刹那せつなに、わが過去を一瞥いちべつのうちに縮め得て始めて合点がてんくのである。 夏目漱石『野分』より引用