藪から棒
全て
名詞
105 の例文
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千代子は僕より先に柱を離れて座敷の方へ行こうとした。僕は藪から棒に後から彼女の名を呼んで、叔父はどこにいるかと尋ねた。彼女は立ち止まって振り返った。
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「大臣、そんなことをしたら、数百億円ではすみませんよ」 予算は八月末に概算要求を終え、要求の上限はすでに決まっている。藪から棒に千億円単位の金を要求しても大蔵省が出すわけがないではないか。だが、田中は胸を叩いてみせた。
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葵は電話室を出て、つかつかと乾のそばまで行くと、藪から棒にいった。
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突き当りは白萩川の左岸所謂弁慶岩の岩壁で、皺襞の錯綜した直立の翠崖が小窓の頭に続いている。私達が藪から棒にひょいと飛び出した所は、丁度其段の上であったのだ。登りは案外楽であった。
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この質問には実のところ、面喰ひました、藪から棒でしたからね。
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わしがどんなにお前を愛してるか、わからないのかい。わかっていたら、そんなことを藪から棒に言い出せるはずはない。ましてやなにもかもだめになったというわけでもないのにさ。
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自分は藪から棒の質問に、用意の返事を持ち合せなかったから、はっと思った。自分の腹ん中にあるのは、昔どころではない。
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彼は世帯を持つときに、火鉢や烟草盆を一所に買って歩いてもらった友達の宅へまた出掛けた。「金を貸してくれないかね」 彼は藪から棒に質問を掛けた。金などを有っていない友達は驚ろいた顔をして彼を見た。
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ただ結果からみて自分の唯一の魅力と心得ていたこの魅力をむきになって無意識に行使したためか、また、ただもうまったくのやさしいローズの心根のためか、フィリップを仲間あつかいにしてくれたのは、このローズだった。ある日、藪から棒に、フットボールのフィールドに散歩にいかないか?と彼はフィリップにさそいかけてきた。
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お重から藪から棒にこう驚かされると、自分は腹の底で自分の味方が一人殖えたような気がして嬉しかった。けれども表向彼女の意見に相槌を打つほどの稚気もなかった。
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用と申しましても、藪から棒にはお話がしきれません。
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なにがおもしろくないのか、藪から棒で、まるで見当がつかない。相手は答えずに、車に乗ろうとしていた。
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青天の霹靂と寝耳に水と藪から棒がいっぺんにやって来たような感じだった。何も返すことができずにその場に呆然と立ち尽くす。
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虫けらみてえな野郎によ。畜生、何が災難だよ、罪も科もねえ人間が藪から棒に殺される。そんな連中を野放しにしておきゃあがって、何が警察だよ。
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どう話を切り出そうか迷っていたが、これだけ話し好きなら小細工はいらないだろう。「ところで知り合いから聞いたんですが、この峠は最近事故が多いそうですね」 藪から棒に訊いたのだ。少しは戸惑うかと思ったら、ばあさんは手招きのような仕草をして、待ってましたとばかりに身を乗り出した。
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当るも八卦、当らぬも、八卦を当ててみるつもり。一時も早う来てくれと、藪から棒の手紙は書いても。東京の、処は分らず。
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藪から棒の説でもなく、当て推量でもなく、明確な論理的な段階を経て到達した結論ですよ、先生。