蒼白い面

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  • 服部は蒼白あおじろい面に一度決心の色をうかべると、きっぱりとそういい切った。 横溝正史『芙蓉屋敷の秘密』より引用
  • その蒼白あおじろかおが薄暗い中で、何とも言えず痛々しげに見えるのであります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 月の光に照らされた蒼白いかおの色を見れば、眠っているのではない、ここまでやっとのたり着いて、ここで息が絶えてしまったのかも知れません。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 蒼白い面には苦悶の色がありありと現われていました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • さし入る月は蒼白あおじろおもてを照らして、微咲えみはなお唇に浮かべり。 徳冨蘆花『小説 不如帰 』より引用
  • ようやくかおを上げた人を見ると、痩せた身体に蒼白あおじろい面の色が燈火あかりを受けて蝋のように冷たく光る。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 例によって蒼白あおじろかおであります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 蒼白あおじろい面はいよいよ白さをまして何かしら心の騒ぐのを押えつけているようにみえるのだった。 横溝正史『蔵の中・鬼火』より引用
  • 蒼白いかおの色、例の切れの長い眼のふちには、十津川で受けた煙硝のあとがこころもち残っているけれども、伏目ふしめになっている時には、それが盲目とは思われないほどに昔の面影おもかげを伝えていました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 机竜之助は、薄暗い行燈あんどん火影ほかげを斜めに蒼白あおじろおもてに浴びて、小肴こざかなを前にチビリチビリと酒を飲んでいます。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • さっきから飲んでいた三輪のうま酒の酔いがこの時に発したのか、竜之助は、ふいと面を上げると、蒼白い面の眼のふちだけに、ホンノリと桜が浮いている。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 音無しの構えに取った時に見る、真珠を水の底に沈めたような眼の光こそ今は見ることができませんけれど、その代りに蒼白い面の表一面にみなぎるような沈痛の色、それは白日の下で見るよりは燈火の影で見た時に、蒼涼そうりょうとして人の毛骨もうこつを寒からしむるものがあります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 圧迫に堪えきれぬお雪は、ついに自分の指で、乳房にかかる竜之助の手をさえぎるように押えて、向き直ろうとしましたが、その蒼白あおじろかおが、肩の上に迫っているのを感じて、前後から銀山で押しつけられているような心地になりました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 竜之助の蒼白い面に凄い微笑がほとばしる。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 平然と香炉銀四郎は蒼白あおじろい面をあげる。 山田風太郎『柳生忍法帖(上)』より引用
  • その蒼白あおじろかおを、うつむきかげんに、見えない目で大地のどこやらを注視しながら、ホッと吐息をついている。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • そこで、米友は円くした眼を据えて、じっと、その薄暗い行燈の光と、白くいぶるほた余烟よえんとを透して見定めると、蒼白あおじろかおをしてやつれきった一人の男が、白衣の上に大柄な丹前を羽織って、火の方に向きながらしきりに自分の面を撫でている。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 浪士らは、一喝の下におどしてくれようと威勢を見せたが、案外、手答えがなく、シンネリとして蒼白あおじろい面にいきどおって沸くべき血の色さえも見えず、売りかけられた喧嘩なら、いくらでも買い込む気象を見せて、刀を引き寄せた竜之助の挙動を見て、かつはあきれかつは怒ったのであります。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 二年に近き病に、やせ果てしはさらにやせて、肉という肉は落ち、骨という骨はあらわれ、蒼白あおじろおもてのいとど透きとおりて、ただ黒髪のみ昔ながらにつやつやと照れるを、長く組みて枕上まくらにたらしたり。 徳冨蘆花『小説 不如帰 』より引用
  • 断雲を縫いゆく月よ、汝の蒼白あおじろき面を時に示せ。 ゲーテ/高橋義孝訳『若きウェルテルの悩み』より引用