蒼白い痩せ

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  • 色の蒼白あおじろせた僧がそこに立っていた。 田中貢太郎『竈の中の顔』より引用
  • 数日の後、長羅の顔は蒼白あおじろせたままに輝き出した。 横光利一『日輪』より引用
  • 後頭部が異様につき出しているが、蒼白あおじろせた顔をした木ノ目軍記は、ここ数十日のあいだに急速に羸痩るいそうを加えたようだ。 山田風太郎『秘戯書争奪』より引用
  • 蒼白く痩せてはいるが可なりの美貌だった。 豊島与志雄『人間繁栄』より引用
  • 血の池や、針の山や、無間奈落むげんならくという白い煙のたちこめた底知れぬ深い穴や、到るところで、蒼白くせたひとたちが口を小さくあけて泣き叫んでいた。 太宰治『晩年』より引用
  • 血の池や、針の山や、無間奈落といふ白い煙のたちこめた底知れぬ深い穴や、到るところで、蒼白く痩せたひとたちが口を小さくあけて泣き叫んでゐた。 太宰治『思ひ出』より引用
  • 異常事態の発生したことを知って、加治木警部、油戸巡査などがあとにつづき、そしてその囚人のくびに縄が巻きつき、蒼白くせた顔に眼が飛び出し、鼻口から血をしたたらせてこときれているのを発見した。 山田風太郎『警視庁草紙(上)』より引用
  • どつちを眺めていいのか分らなかつたり、どの見知らない方角を眺めることも苦しかつたり怖ろしかつたり、身体が蒼白く痩せてしまひさうな心細い旅愁であつた。 坂口安吾『愉しい夢の中にて』より引用
  • 「お信さん、どんな工合ですかね」 「大分いいようですよ」お信は蒼白い痩せた頬にすまないような寂しい微笑をたたえて、お里が抱いている嬰児を見向きもしない。 島田清次郎『地上』より引用
  • 数か月の後オリヴィエは、病気上がりの蒼白あおじろせ衰えたクリストフに、偶然往来で出会った。 ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
  • 政之助は、蒼白く痩せて、目の大きな男である。 古川薫『桂小五郎(上)』より引用
  • 横顔は蒼白くせて、気品にみちて、提督というより学者といった方がふさわしい風貌ふうぼうである。 山田風太郎『忍法破倭兵状』より引用
  • 酔うと、蒼白あおじろせた顔が、さらに蒼くなるほうだ。 大藪春彦『戦いの肖像』より引用
  • 蒼白い痩せた神経質らしい男だった。 豊島与志雄『浅間噴火口』より引用
  • しかし蒼白く痩せおとろえた病身の商館長ナイエンローデは、咳きこみながら、こうした特使の考え方に強く反対した。 辻邦生『天草の雅歌』より引用
  • ところで、多摩結城のついの羽織着物に高貴織の下着などを着こんだ洒落た中江の方が、古びた薩摩大島などをまとっている村尾よりは、自然態度もしっかりしているのは当然らしいが、小肥りの皮膚の艶々しい中江の顔がわりに血の気が薄く、ふだん蒼白い痩せた村尾の顔が赤くほてっているのは、一寸対照的に奇異に見える。 豊島与志雄『慾』より引用
  • 蒼白くせて、たえずせきをしている。 山田風太郎『地の果ての獄(上)』より引用