蒼白い唇

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  • 快楽にとりつかれていたあのとき、司教補佐は、彼女の蒼白い唇の上に、自分の唇を押しつけたのだった。 ユゴー/辻昶・松下和則訳『ノートルダム・ド・パリ(下)』より引用
  • 大したことではなさそうだからよいとしても、自分は、こけた彼の頬、土気色の額、蒼白い唇を見ながらつい種々のことを空想した。 宮本百合子『日記』より引用
  • 鉛色を帯びた浅黒い顔の表情、わけても蒼白い唇の表情は、もしもゆったりともの思いに沈んだところがなかったならば、ほとんど兇悪といっていいくらいだった。 ツルゲーネフ/佐々木彰訳『猟人日記(下)』より引用
  • そのとき、四郎助の腕の中で、流血と苦痛のためもう喪神しているかに見えた網干彦馬の蒼白い唇が動いて、しゃがれたあえぎが出た。 山田風太郎『地の果ての獄(下)』より引用
  • その声が、相手の蒼白い唇からもれたのは、みずから痺れて発電能をうしなった大文字弥門からはなれて、五歩六歩あとずさってからであった。 山田風太郎『外道忍法帖』より引用
  • 腕を組み合い、蒼白い唇で、眉をひそめて、ときどき思い出したように低い声で喋っているこの二人の男は、ローランとモオリスだった。 アレクサンドル・デュマ/鈴木豊訳『赤い館の騎士(下)』より引用
  • ラスコーリニコフはそんなことは気にもとめないふうで、蒼白い唇に奇妙なうす笑いをうかべたまま、じっと黙想にしずんでいた。 ドストエフスキー/工藤精一郎訳『罪と罰』より引用
  • もうかたく冷えてしまったきびしい横顔も、大理石で刻み上げられたようであったが、蒼白あおじろくちびるに凍りついたうすい笑いは、何か子供らしくない、限りない悲しみと深いうらみにみたされていた。 ドストエフスキー/工藤精一郎訳『罪と罰』より引用
  • と、阿福は蒼白あおじろい唇をかみしめてつぶやいた。 山田風太郎『忍法帖5 くノ一忍法帖』より引用
  • とお蓮様は、蒼白い唇でつぶやいた。 林不忘『丹下左膳』より引用