荒唐無稽な空想

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  • 泥酔に至る一歩手前で、安藤はそんなふうな荒唐無稽こうとうむけいな空想をもてあそんでいた。 鈴木光司『らせん』より引用
  • それでなくてさえ空想力の強い伯爵の頭の中には、いろいろの料理に関する荒唐無稽な空想がしきりなしに浮んでは消えた。 谷崎潤一郎/種村季弘編『美食倶楽部 谷崎潤一郎大正作品集』より引用
  • ヘッケルの時代にはもちろんのこと、それを読んだ私たちの高等学校時代の頃でも、それは精密科学の立場から見れば、全くの荒唐無稽むけいな空想にすぎなかった。 中谷宇吉郎『簪を挿した蛇』より引用
  • それでも、さすがに乳母の生きている間は、彼のこの奇妙な空想も、単に空想にとどまっているのみで、しごく平穏無事だったのですが、この乳母が亡くなって、だれ一人彼を制肘せいちゆうする者がいなくなったとなると、勃然ぼつぜんとして彼の荒唐無稽な空想は実際にまで移されてきたのです。 横溝正史『芙蓉屋敷の秘密』より引用
  • もっとも清家清氏のように、この説話はかならずしも荒唐無稽な空想ではなくて、気象学的にも歴史的にもちゃんとそれなりの根拠があるという論者もいる。 種村季弘『迷信博覧会』より引用
  • そうなると、じつに、脳髄の実質の一ゲレンに住む幽霊の数は、縫い針の先に立つことのできる精霊の数について、かの中世の煩瑣はんさ学者が考えた荒唐無稽な空想を、目のあたりに見る以上のものになろう。 ハーン/平井呈一訳『心』より引用
  • されば、風間伍六かざまごろくがあの日、ゆくりなくも手に入れた花束から、つぎに述べるような奇々怪々な事件が繰りひろげられたとしても、必ずしも筆者の荒唐無稽こうとうむけい空想癖くうそうへきとのみ、断じらるべき筋合いのものではないであろう。 横溝正史『血蝙蝠』より引用