荏苒

全て 副詞
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  • このまま荏苒じんぜん、時を過ごしていたなら、王妃は死んでしまいます。 太宰治『新ハムレット』より引用
  • そのくせ彼の性質として、兄夫婦のごとく、荏苒じんぜんの境に落ちついてはいられなかったのである。 夏目漱石『門』より引用
  • ただその希望が夢のように手応えがないために、弓子とのことも荏苒じんぜんと日を送る結果になっているだけだ。 福永武彦『海市』より引用
  • それに引きかえ、我等は門を閉じて、主上のお怒りのめるのを荏苒じんぜんと待つばかりだ。 福永武彦『風のかたみ』より引用
  • 日一日と荏苒じんぜん時を過すうち、三月も六日となった。 池宮彰一郎『その日の吉良上野介』より引用
  • かれら硬派が、荏苒じんぜん無為に日が経つのを、我慢している筈がなかった。 柴田錬三郎『(柴錬立川文庫6) 裏返し忠臣蔵』より引用
  • 荏苒じんぜんとして時間を空費しているうちに、夜が明け、夜が明ければ戦車が出てくるだろう。 伊藤桂一『遥かなインパール』より引用
  • それは事あるごとに、藩論が在府党と在国党とにわかれて、荏苒じんぜん決せざることである。 森鴎外『渋江抽斎』より引用
  • こうして、小雪の死体紛失一件は、未解決のうちに、荏苒じんぜんとして時がうつった。 横溝正史『人形佐七捕物帳 13』より引用
  • かくて荏苒じんぜんとして時は流れ、日は移って、ここに二十二年という長い歳月が経過したのちに、警部の受け取ったのが浅井はるなる女性からの手紙である。 横溝正史『金田一耕助ファイル19 悪霊島 下』より引用
  • 長が荏苒じんぜんとしてえなかつたことと、榛軒が清川玄道の技倆に信頼してゐたこととが知られる。 森鴎外『伊沢蘭軒』より引用
  • ソ連からの当てにもならぬ回答を待ち、荏苒じんぜんとして時を過ごし、国内の情勢をそのままに放置しておくことに対する焦慮と不安とが、日本の指導層のなかに流れこんでいた。 半藤一利『聖断 天皇と鈴木貫太郎』より引用
  • もしそれが事実なら、ノモンハンは関東軍が当面する最優先の要務であるはずであるから、速かな再検討を確認しないままに荏苒じんぜん日を過した軍司令官以下の首脳部は何を考えていたのか。 五味川純平『ノモンハン(上)』より引用
  • 大屋根の工作は必要不可欠だが、荏苒じんぜんと待っては奇襲の利を失う。 池宮彰一郎『四十七人の刺客(下)』より引用
  • こうして捜査当局の焦慮のうちに、荏苒じんぜんとして月日がたっていったが、さて、この事件が関係者一同に、いったいどのような影響をもたらせたであろうか。 横溝正史『悪魔の降誕祭 他二篇』より引用
  • それを源氏が渡りかねて、荏苒じんぜんと日を送っているうちに、佐々木三郎盛綱もりつなが土地の浦男から、馬でも渡れる浅瀬のあることを聞き知った。 横溝正史『金田一耕助ファイル19 悪霊島 上』より引用
  • しかしすでに事がここまできた以上、これ以上荏苒じんぜん日をむなしうすることはできないから、このうえは官庁側においてもいま一歩積極的に出て、業者とともに悩み、ともにはかり、具体的な解決策を見出すだけの努力と親切とを示してもらいたい。 伊丹万作『思い』より引用
  • ソ連からのあてにもならぬ回答を待ち、荏苒じんぜんとして時を過ごし、国内の情勢をそのままに放置しておくことにたいする焦慮と不安とが、日本の指導層のなかに渦まいていた。 半藤一利『日本のいちばん長い日』より引用
  • 吉保の急使に、徂徠は荏苒じんぜんと時を過ごし、柳沢邸に出頭したのは二月の半ば過ぎであった。 池宮彰一郎『最後の忠臣蔵』より引用
  • このまま荏苒じんぜん時を過ごして、老いさらばえるのかと考えると、実になんとも情けないのであります。 野坂昭如『エロトピア2』より引用
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