茫洋とした表情
18 の用例
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灼けている羊の骨があげる薄い煙が、天幕のなかを一種夢幻的な雰囲気に変えていた。
森田だけがいつものあの茫洋とした表情を浮かべて、平然としていた。
他の三人はそれぞれに思いを乱し、いまきかされたばかりの自分の未来に呆然としている。
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山田正紀『崑崙遊撃隊』より引用
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九曜の茫洋とした表情は変化せず、異様に紅い唇だけが動いた。
谷川流『涼宮ハルヒの驚愕(後)』より引用
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果たして堀田の言っていることが本当なのか、最前列で目が合った生徒に訊ねてみた。
すると生徒は、茫洋とした表情でおれを眺めるばかりで、いつまで経っても返事をしない。
肯定するでも否定するでもなく、曖昧に笑みを浮かべるばかりで、まるで埒が明かない。
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万城目学『鹿男あをによし』より引用
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茫洋とした表情で司令官は呟いた。
森岡浩之『星界シリーズ 星界の断章 01 星界の断章 Ⅰ』より引用
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上杉はちょっと息を呑むようにしたが、すぐ、持ち前の茫洋とした表情に戻った。
平岩弓枝『パナマ運河の殺人』より引用
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気づいているだろうか、と呼び掛けたが、わかっているのかわかっていないのか、その茫洋とした表情からは読みとれない。
牧野修『ファントム・ケーブル』より引用
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例によって茫洋とした表情でいう。
昨夜、かなり更けてから雨になったのだが、朝にはきれいに上って、からりとした日和になっている。
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平岩弓枝『御宿かわせみ 14 神かくし』より引用
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大悟は慌てて番匠の顔を見た。
番匠はいつもと変わらない茫洋とした表情だ。
米谷課長は、あまり乗り気ではない様子で、番匠に言った。
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今野敏『心霊特捜』より引用
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八郎は、不意に身近かに狂暴な者の匂いを嗅ぎつけた気がしたのだが、村上もそう思ったらしかった。
茫洋とした表情が、竹刀を握って八郎とむき合ったときのように、険しい色に変っている。
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藤沢周平『回天の門』より引用
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という愛香の目には、強烈な意志の光が宿っていた。
毬藻も、いつもの茫洋とした表情とはほど遠い、引き締まった顔で力強く頷いた。
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舞阪洸『サムライガード』より引用
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再び普段の茫洋とした表情に戻った無名が、玉瑛の期待の籠もった眼差しから逃れるように、緩慢に頭を振った。
森福都『長安牡丹花異聞』より引用
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茫洋とした表情が、ここではじめてひきしまった。
井上祐美子『五王戦国志7 暁闇篇』より引用
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大江は茫洋とした表情で言った。
北村のほうは茶を運んで来た受付の女性の足に目を吸われている。
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森村誠一『日蝕の断層』より引用
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番匠が、茫洋とした表情のまま言った。
今野敏『心霊特捜』より引用
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番匠係長が、茫洋とした表情のまま言った。
今野敏『心霊特捜』より引用
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取ってつけたようにいうと梓沢と、異様な風貌のジャグルヤ、そして茫洋とした表情の裸の女を見くらべた男は、取り落としたカバンを慌てて拾い上げると、そのまま逃げるようにして去っていった。
嬉野秋彦『メフィストの魔弾』より引用
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御家老と呼ばれた男はポッチャリとした顔立ちで、つかみどころのない茫洋とした表情だが、糸をひいたように細い目は、時おりぬけめなく光らせている。
上目づかいに見上げるまなざしは、狡猾な商人のそれをおもわせた。
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つかこうへい『つか版・忠臣蔵』より引用
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大炊頭は、眠たげな茫洋とした表情でこたえた。
山田風太郎『忍法行雲抄』より引用