茫として

全て 副詞
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  • いつまで行っても野は広茫として際限がなかった。 豊島与志雄『蘇生』より引用
  • しばしぼうとしていた鞠姫は、ふいに愕然がくぜんとして、石五郎の前後左右を見まわした。 山田風太郎『自来也忍法帖』より引用
  • 藤一郎はついさうした夢想に耽り出すと、眼の前が早くも茫として額に微熱を覚えた。 原民喜『少年』より引用
  • おれはたいそうおどろいて、ただぼうとして妻君猫の様子をながめていた。 井上ひさし『ドン松五郎の生活』より引用
  • 耳が遠くおなんなすったくらい、ぼうとしていらっしゃるのに、悪いことだと小さな声でいうのが遠くに居てよく聞えますもの。 泉鏡花『誓之巻』より引用
  • 円内に茫として立つスーの前で巨体が身を屈め、ずれた線を消して、真円を完成させたのである。 菊地秀行『吸血鬼ハンター12c D-邪王星団3』より引用
  • それを我慢して兎に角半日を過してきたが、身体が大変疲れた上に、頭が茫として愚かになった気がした。 豊島与志雄『人の国』より引用
  • われ今当時の事をかえりみればぼうとして夢の如しといはんのみ。 永井荷風『矢立のちび筆』より引用
  • 係官に名前を呼ばれて立ち上るときはふだんは茫としてゐるのに似ず機敏で本能的な早さがあつた。 小熊秀雄『小熊秀雄全集-15』より引用
  • 善と悪との感じは、美醜の感じよりも遥かに非感覚的な価値の意識であるから、その存在は茫として見えるがもつと直接に人間の魂に固存してゐる。 倉田百三『善くならうとする祈り』より引用
  • その闇の中に覗き込むと、ただ茫として、怪しい幻が立ち罩めてるようだった。 豊島与志雄『二つの途』より引用
  • まだ、茫として海原の彼方へ眼をやっているリマを促し、おれたちは車へ戻った。 菊地秀行『トレジャー・ハンター08 エイリアン邪海伝』より引用
  • しかしジャアファルは一と言も答えず、ぼつとしています。 佐藤正彰訳『千一夜物語 09』より引用
  • だが、さういふ日が何時やつてくるのか、つきつめて考へれば茫としてわからないのだつた。 原民喜『壊滅の序曲』より引用
  • 鏡子がばうとして居るところへ南が出て来た。 与謝野晶子『帰つてから』より引用
  • わたしは愉快に思うよりも、驚いて茫としてしまった。 ジッド/石川淳訳『背徳者』より引用
  • その中に御台所みだいどころの勝頼夫人は、白い花のような容顔かんばせにややぼうとしてみえるうつつをたたえ、やかたの奥の丸にあるとおりに坐っていた。 吉川英治『新書太閤記(六)』より引用
  • 善と悪との感じは、美醜の感じよりもはるかに非感覚的な価値の意識であるから、その存在は茫として見ゆれど、もっと直接に人間の魂に固存している。 倉田百三『愛と認識との出発』より引用
  • 映像としては定かに焦点が合っていなくて輪郭が茫としているのが、かえって一瞬の躍動を伝えてくれる。 松下竜一『砦に拠る』より引用
  • その言葉の意味もわからず、なお茫としてつっ立つ四人が、突如として疼痛とうつう硬直こうちょくした。 山田風太郎『忍法帖5 くノ一忍法帖』より引用
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茫として の使われ方