茫としている

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  • 意志があって沈黙しているというより、ただ彼女はぼうとしているように見えた。 山田風太郎『忍法落花抄』より引用
  • しばらくして大成は夢の覚めたようになって、何をしていたのか茫としていて自分で自分のやっていたことが解らなかった。 蒲 松齢『珊瑚』より引用
  • しばしぼうとしていた鞠姫は、ふいに愕然がくぜんとして、石五郎の前後左右を見まわした。 山田風太郎『自来也忍法帖』より引用
  • しかしジャアファルは一と言も答えず、ぼつとしています。 佐藤正彰訳『千一夜物語 09』より引用
  • 映像としては定かに焦点が合っていなくて輪郭が茫としているのが、かえって一瞬の躍動を伝えてくれる。 松下竜一『砦に拠る』より引用
  • 声をかけるとふりむいたが、表情はぼうとしていた。 大塚公子『死刑執行人の苦悩』より引用
  • 意識は茫としているのに、眼だけが冴えていた。 豊島与志雄『どぶろく幻想』より引用
  • 何を頼まれたのか、又八はぼうとしているだけだった。 吉川英治『宮本武蔵』より引用
  • いま銅伯を斬った刃が、その死のあとを追って走ったような奇怪な感覚に、これまたぼうとしていた十兵衛も、ふいに火に吹かれたようにわれにかえった。 山田風太郎『柳生忍法帖(下)』より引用
  • 見る限り広茫としていた。 小林多喜二『不在地主』より引用
  • 愛の実が結ばぬことを、良人も妻に隠れて時折り嘆いては茫としているさまを、インペリアはそれと窺い知り出すようになった。 バルザック/小西茂也訳『風流滑稽譚(第三輯)』より引用
  • 寝台ねだいい下りて、北窓の日蔽ブラインドき上げて外面そとを見おろすと、外面は一面にぼうとしている。 夏目漱石『永日小品』より引用
  • その薄衣うすぎぬから立ち昇る香気と私の上のその肉身の熱気を感じて、私はもう全く酔い痴れ、いきなり彼女を両腕に抱き、できるかぎりの到るところを猛烈に接吻しはじめると、彼女は雉鳩きじばとのように茫としているのでした。 佐藤正彰訳『千一夜物語 09』より引用
  • まだ頭は茫としている。 乾くるみ『Jの神話』より引用
  • それゆえ、墜落によって茫としていたものの、私は河床の底まで達して後、首尾よく水面に浮び上がって、闇にまぎれて、王宮と反対側の岸に辿りつくことができました。 佐藤正彰訳『千一夜物語 08』より引用
  • それよりも、夢みるように茫としている。 山田風太郎『忍法落花抄』より引用
  • あわてて顔をはなすと、お圭は例のうるんだひとみをひらき、なまめかしい舌の先をちょっぴりとのぞかせたまま、まだ茫としている。 山田風太郎『忍法落花抄』より引用
  • 心がとうからぼうっとしていた。 国枝史郎『南蛮秘話森右近丸』より引用