茫として

全て 副詞
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  • 明方内うちへ帰ってからも、そのあとは二日も三日も唯茫ぼうとしておりましたの。 泉鏡花『歌行燈・高野聖』より引用
  • 明方内へ帰ってからも、そのあとは二日も三日もただぼうとしておりましたの。 泉鏡花『歌行灯』より引用
  • 意志があって沈黙しているというより、ただ彼女はぼうとしているように見えた。 山田風太郎『忍法落花抄』より引用
  • が、それが私の知つてゐた彼かどうか、写真は茫として不明瞭な印象だつた。 原民喜『二つの死』より引用
  • おれはもう聞くのも阿呆あほらしくなり、ただぼうとして赤い車の方へ目をやっていた。 井上ひさし『ドン松五郎の生活』より引用
  • かすかに茫としてはあれど、衣類のしまも眼鼻もよく見え、髪をばれたり。 柳田国男『遠野物語』より引用
  • 彼はほっと安堵した気持になると共に、呆けたように頭が茫としてしまった。 豊島与志雄『幻の彼方』より引用
  • 昨夜来叫びつづけた疲労が一時に発したのだろう、そのまま茫として眠り続けた。 菊池寛『俊寛』より引用
  • ところが不思議なことにこれまでは眼の前のことがまるで霧にでもつつまれたやうに茫としてゐた。 平井肇『狂人日記』より引用
  • 家へ帰って参りまして、茫として何物も手につきませんでした。 夢野久作『東京人の堕落時代』より引用
  • 広い背を丸め亜父は茫として、いっそ愚鈍とも感じられたからである。 森福都『長安牡丹花異聞』より引用
  • 光は細やかでぼうとして、空気はさわやかに、河は銀鼠ぎんねずの色をしていた。 ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
  • 今日一日は、広茫として限りもないテキサスの野を横切って暮れるのだろう。 宮本百合子『南路』より引用
  • ふとそのとき、みずそこに、ぼうとして、あやしいかげのようなものがえたのであります。 小川未明『海のまぼろし』より引用
  • 足の先が冷えきってゆくようなのをじっと我慢がまんしていると、幻とも夢ともつかないもののうちに意識が茫としてきた。 豊島与志雄『二つの途』より引用
  • 手を膝の上にのせて頭蓋骨を外して手で捧げてゐる恰好で茫として坐つてゐた。 小熊秀雄『小熊秀雄全集-15』より引用
  • 雲のたゝずまひもたゞならぬ夕空に向うて思に耽つて茫として居る。 折口信夫『古歌新釈』より引用
  • だが今度は、彼はこれからさきのことを思うと、ただ茫として遠いところに慟哭どうこくをきいているような気がした。 原民喜『死のなかの風景』より引用
  • しばらくして大成は夢の覚めたようになって、何をしていたのか茫としていて自分で自分のやっていたことが解らなかった。 蒲 松齢『珊瑚』より引用
  • 大川はいつもより幅が広い、霧でぼうとして海見たようだ。 泉鏡花『茸の舞姫』より引用
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茫として の使われ方