苦苦しい

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  • 私達は自尊心を傷つけられ、苦苦しい沈黙を続けているより他はなかった。 外村繁『澪標』より引用
  • 末席でうつむき加減にしていた太宰は、ますます苦苦にがにがしげになって来た。 長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(上)』より引用
  • どの子も彼とは違うクラスで、彼と気軽に話すことができる同じクラスの女の子を苦苦しく、かつうらやましそうな目で見ていた。 群ようこ『無印おまじない物語』より引用
  • 勝畑は苦苦にがにがしく言い、写真を柳矢に示した。 泡坂妻夫『死者の輪舞』より引用
  • しかもまたその翌朝に於ての悔恨が、いかに苦苦しく腹立たしいものであるかを忘れて。 萩原朔太郎『宿命』より引用
  • 野卑な冗談をいふと私は苦苦しい心地がするのだつたが、それでもからかはれた女中達は必ずあはあはと笑ひ転げるのである。 森田たま『もめん随筆』より引用
  • 「もっと別のメロディーを考えてくれればいいものを」バラクが苦苦しい顔をしてつぶやいた。 エディングス『ベルガリアード物語3 竜神の高僧』より引用
  • 私は苦苦しい顔をして、たしなめるように云った。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 久慈は笑いが口中へめり込んでいくような苦苦しい微笑を浮べると、急に嘲るように低声になった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 後は涸れて堅くなつた頭脳を苦苦しく思ふばかりである。 与謝野晶子『註釈与謝野寛全集』より引用
  • そして、幻影消滅の苦苦しさに打たれながら、引き摺られて來た今までの自分の姿の淺ましさを感じながら、暫く身動きもせずにその場に佇んでゐた。 南部修太郎『ハルピンの一夜』より引用
  • とふと口を議論に辷らせたら最後、後へ戻せぬ論理ばかりの世界にいるようなパリでの一時期とて、東野は一寸苦苦しい顔をしたが、丁度そのときボーイが二人の傍へ廻って来た。 横光利一『旅愁』より引用
  • 私は浮びかかつた苦笑を苦苦しく噛み殺した。 南部修太郎『ハルピンの一夜』より引用
  • 東野や矢代をふと見ると、いずれも役者になったことも知らず、苦苦しくふくれている芸無し猿の二本の大根に見えて来た。 横光利一『旅愁』より引用
  • そう云って、平田は苦苦しい顔をした。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 莫迦ばかが」苦苦にがにがしげにつぶやくと、祖父は変らぬむっつりした風で、座をくずさなかった。 尾崎一雄『暢気眼鏡』より引用
  • そして、二段、三段と、大股に階段を駈け降りながら、苦苦しさ一杯に、自分を踏みくちやにしたいやうな氣持で、私は心の中に呶鳴り續けてゐた。 南部修太郎『ハルピンの一夜』より引用
  • 鬼神でない一介の婦女子だから、敢て詰責するにも当らないが、俺は苦苦にがにがしく思つたり、片腹痛く感じたりすることがないでもない。 平出修『畜生道』より引用
  • 私は恥しく、情なく、苦苦しいが、どうなるものでもない。 外村繁『澪標』より引用
  • いくら苦苦しい思いが、こみ上げてきても、その思わせぶりの誘惑には、やはりうちかてまい。 安部公房『他人の顔』より引用