若かれ
全て
形容詞
18 の例文
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玄関をはいったすぐ左の六畳か八畳の室には、まだ三、四人の、しかも内輪の人らしい人しかいなかった。そしてその中の年とった一人と若い一人とがしきりに何か議論していた。僕は黙って、そこから少し離れて、壁を背にして坐った。
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然るにこの人々は天秤棒をかついで何マイルという遠方にまで行くのである。また十マイルも離れている東京まで歩いて買物に行く若い娘を数名見た。六時半というのに子供はもう学校へと路を急いでいる。
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流石にその調子には隙もなくなり落付きも出来てゐるが、内容の若さにはその日に少しも変つてゐない。それは中年に至るも少しも若さを変へなかつた作者の心そのままである。
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この謎を解いてやれ。そしてあのおやじに現れた若さと家霊の表現の意志を継いでやりなさい。それでなけりゃ、あんまりお前の家のものは可哀相だ。
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お花は帰りに深川のお若の家へ寄って、病気の様子をみて来ると言った。
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が現在の私はもはや耳かきですくう程の若さも青春も持ち合せていないことを心細く感ずるばかりである。いや現在といわず二十代の時ですら、私は若さを失っていたようである。私が二十代の時に書いた幾つかの駄小説は、すべて若さがないと言われていた。
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わたしはとなり座敷のものですが、若いお娘さんはどうなされましたか?
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若さは武器にしないとね。当然だけど、若いってことが武器になるのは今のうちだけなんだからね。
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しかし、これは小田原の罪ではなく、また誰の罪でもない。東京があまりに近く、かつ、人々が若すぎたというだけのことであろう。小田原という町は、ただ東京に近いだけでなく、日本国中のどこからでも、そんなに遠くないような気のする町である。
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長く結婚生活を続ける女が幸福な結婚をしたとは言えません。結婚して若くて死ぬ者が、もっとも幸福な結婚をしたと言えるでしょう。さあ、涙をおふきなさい。
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わたしは若い時は年よりだったし、年をとった時は若いものになっている。従って年よりのように欲にも渇かず、若いもののように色にもおぼれない。
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文人は文人として堂々社会に対する事が出来る。今日の若い新らしい作家の中には二十五六年前には未だ生れない人もある。其大部分は幼稚園若くは尋常一二年の童児であったろう。
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「宜しく頼みますよ、錢形の」 平四郎はさすがに打ち萎れて居りますが、仕事が繁多なので、そのまゝ役所の方へ出かけて了ひました。新造のお君は二十七八の美い女で、男女二人の母親とも見えぬ若さです。
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だが、年寄りの身になると、若い人がなんとなく懐かしい。わたくしのところへ出這入りする人で、若い方はあなただけですからね。伜はもう四十で、ときどき孫をつれて来ますが、孫じゃあ又あんまり若過ぎるので。
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同じ山に何度も行っている結果、私は山の人々を知るようになった。家が面白くないといって東京の私の宅にやって来た若い案内者などもいた。
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「我が君のありがたきお情けによって、一命は愚僧が貰いうけた、今日から出家して、愚僧の法弟になるが好い」 と云った。若侍は生命は既にないものと思っていたところであるから、非常に喜んだ。彼は隻手に小刀を抜き、隻手に髻を掴んで、ぶつりと根元から切ってしまった。
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迎へ酒がほしいな!裏の空家へ若夫婦が引越して来たらしい、長くは人のゐつかない家だが。
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