花みずき
全て
名詞
18 の例文
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たった一本、高く、優美に枝を広げている。アメリカ花水木と言うくらいだから、アメリカ大陸が原産地なのだろう。昔はあまり見なかった。
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「ああ、それはドッグウッドといいヘボン先生がもうかれこれ十年近くも前、アメリカからとり寄せてお植えになったものです」 と、吟香は答えた。後に日本で花水木と呼ばれるようになった樹である。
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重ねてここに紹介する理由である。青タイルを貼った建物も美しいが、中庭にある花水木がまたすばらしい。たった一本、高く、優美に枝を広げている。
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わが家の昼下りは花水木の下でシェルティが眠り、私がそれを見つめている。以前は嬉々として、今は少々鼻白んで。
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有栖川公園は門をとざしていた。花水木が満開になり、夜目にも白い花を枝いっぱいにのせている。住宅街を歩きまわり、もう一度未練を承知で麻美のマンションの下まで行ってみた。
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少し先に池が見え、花水木の花が咲いていた。身体を乗り出してそれを眺めながら、どんな注意をしたものかと考えたが、適切な言葉が見付からない。
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「ヨックモック」と比較さえしなければ、結構見られる。わが家の花水木もちゃんと春には花を咲かせ、秋には落ち葉を散らす。私は青山へ行っても、このごろは「ヨックモック」へは立ち寄らない。
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今年の冬にも大きい地震はあったはずで、それでも倒れていないところを見ると、これはこれとして力学的にはバランスが取れているのかも知れなかった。アパートのくせに敷地の入口には木の引き戸がついていて、玄関までの狭い空間には、ピンク色の花水木と黄色い金雀枝が狂ったように花の色を競わせていた。建物の南側には敷地が広く取ってあり、庭からは桜の大木が路地の外にまで大きく枝をはみ出させていた。
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どう公平に見ても傾いているとしか思えないアパートには、二階の一部屋に電気がついているだけで、山口麻希を含めて、一階の住人は一人も帰っていなかった。花水木と金雀枝の間から前庭を覗いてみたが、二階の明かりが届いているのは物干し用の柱までだった。その暗闇に浮かんだ白い小手毯の花が印象的で、俺は敷地を山口麻希の部屋の前に回っていった。
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槙と篠竹を防風林にしている敷地に入っていくと、松や椎の間にツツジがふんだんに花を咲かせていて、一瞬俺は桜台のアパートを思い出した。あの庭には花水木や金雀枝も花を咲かせていたが、山口麻希があのアパートに意地を張るのは、実家のこの風景から気持ちが離れないせいなのかも知れない。灰色の土が露出した広い庭には、金色の西日が当たって、防風林から抜けてくる風が小さい砂埃を舞いあげる。
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その事情がミーの行方と結びついている。沈丁花の強い芳香がようやく薄れ、椿が落ち、花水木が白い花弁を開いてきた。弓子の腹もようやく目立つようになった。
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たとえば池のみぎわから水面におおいかぶさるように茂った見知らぬ木のあることは知っていたが、それに去年は見なかった珍しい十字形の白い花が咲いている。それが日比谷公園の一角に、英国より寄贈されたものだという説明の札をつけて植えてある「花水木」というのと少なくも花だけはよく似ているようである。しかし植物図鑑で捜してみるとこれは「やまぼうし」一名「やまぐわ」というものに相当するらしい。
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そしてこれは、言ふまでもなく、情報を得ようといふつもりでも、相談するためでもない。それはむしろ、一昨日の地震のときあたしはちようど高層ビルの何十階かで紅茶を飲んでゐたけれど、あなたはどうしてゐたと訊ねるとか、マンションの中庭の花水木が枯れさうで寂しいとか、そんな話をするやうに、ごく自然に口をついて出たのだつた。哲学者はそれに対して、会社側が納得づくで事を運ばうとしてゐるのは好都合な話で、たぶん事を荒だててはまづい事情があるのだらうから、できるだけ時間を稼いで延すのがいい、そのうちに何かのはづみで事態が好転するかもしれないと忠告した。
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廊下の南側はガラス張りになっていて、外の緑が柔らかく陽射しを遮り、床に斑の影を落としている。建物の脇は、マンションの住民専用の公園になっていて、花水木や楓の茂みの間に、小川を模したごく浅いコンクリートの水路が作られている。数組の親子が水遊びをしているのを横目に、瑞穂はエレベーターホールへと向かう。
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平成18年9月には、旅行情報誌『じゃらん』が選ぶ九州貸し切り温泉の頂点に輝いた。他に、ボディケアを行うリフレサロンも併設されており、駐車場には『花水木神社』という小さな神社も設置されているほか、敷地内に架けられた吊り橋の先にはグラウンド・ゴルフ場もある。かつては、「宮田石遊園地」「ジョイフルランド宮田石」などの名称でCMも放送し、敷地内にはプールのほか、吊り橋の先にはミニゴルフ場、釣り堀、ゴーカートもあった。
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榛名湖から戻って十日ほどしたころ、康臣は、瑞穂が提案した「ピアノトリオでも」という約束を律儀に守り、ピアノパートの人間を一人、連れてきた。広大なキャンパスのそこここに植えられた花水木の花が、黄色く萎れて散り始め、梅雨のはしりの冷たい雨が、三日も降り続いていた日のことだった。一人で康臣を待っていると、分厚い防音扉を開けて、長身の男が入ってきた。
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「遅くはならない」と玄関を出た。近所の庭の梅や花水木や辛夷が色づき、金木犀の香りとともに秋の気配が住宅街に立ち込めている。東京には緑が少ないというのは都心のビル街や繁華街だけのことで、一戸建の家ではピラカンサやベニカナメなどの垣根をめぐらし、狭い庭であっても、それぞれ工夫を凝らして緑を植えている。
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