腕の冴え

55 の用例 (0.00 秒)
  • 或いは刀は良いけれども腕が怪しいと言われてしょげるもあり、刀はさほどでないが腕の冴えが天晴あっぱれと言ってめられるものもありました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • いずれも単独であったにせよ、すべてただ一太刀か二太刀で、凶行者が恐ろしく腕のえた人間であることは明らかであった。 山田風太郎『修羅維新牢』より引用
  • 今まで彼がそんなものを持ち合わせていようとは思いもよらなかったような腕のえを見せて、彼はこの不幸なオランダ人がいちばん触れてもらいたくないと思っているところを、遠慮会釈なくほじくり出したのである。 モーム/龍口直太郎訳『月と六ペンス』より引用
  • 前巻では、常の表紙や挿絵のみならず図解ずかいまで、腕のえを堪能たんのうさせていただきました。 高橋弥七郎『灼眼のシャナ 第10巻』より引用
  • 星野が衆評などをまったく眼中におかないで、いきなり物の中心を見徹していくその心の腕のえかたにたじろいたのだ。 有島武郎『星座』より引用
  • よほど腕の冴えていたものと見えて、一刀にきって落された宰領は、二言ともなく息が絶えてしまったものです。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • 腕の冴えは、まさに彼の異名、入雲龍にゆううんりゆうの名を思わせるもので、これぞ道士公孫勝どうしこうそんしようその人だった。 吉川英治『新・水滸伝(二)』より引用
  • 十錢か二十錢の土瓶にも名器を造る腕の冴えを必要とする。 小野賢一郎『やきもの読本』より引用
  • 「四季」の成功はジャーナリストとしての堀辰雄の腕の冴えによるものである。 福永武彦『第六随筆集 秋風日記』より引用
  • けれども、若衆の腕の冴えは、むしろ胸がすく程な鮮かさでした。 佐々木味津三『旗本退屈男』より引用
  • その無想流の腕の冴えは、西国一円で、かくれもない、という。 柴田錬三郎『岡っ引どぶ 巻一』より引用
  • というのは、ホームズがあの分析的推理の腕のえを見せた事件、独特の調査方法の真価を遺憾いかんなく発揮した事件というのは、事件そのものが、とるにたりない、あるいは平凡なもので、わざわざ読者諸君のお目にかけるほどのものとも思われなかったりすることが多かったからである。 ドイル/鈴木幸夫訳『コナン・ドイル ホームズの回想(2)』より引用
  • たださえ腕の冴えた奴、そいつが夜叉やしゃになって暴れ廻った日には、とても、同心方やあっしの手では抑えがつきません。 吉川英治『鳴門秘帖』より引用
  • 作者の見事な腕の冴えを見せる小粋な長編でも、分野がこれまでのありきたりなものだとか、種々の分野にまたがった独創的な作品でも、何巻にもわたって延々続くので、途中から入りにくいという欠点をもっていたりします。 ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』より引用
  • と約束していたのだが、八郎の腕のえは、全くその隙を与えず、抜討ちの一刀で首をはね飛ばしてしまったのだ。 南條範夫『山岡鉄舟(一)』より引用
  • 振り下ろされる数十キロの鉄棒を、かろうじて受け止めたのは、奇蹟ではなく腕の冴えだ。 菊地秀行『吸血鬼ハンター07b D-北海魔行 下』より引用
  • あの時虚無僧の構えた尺八には、充分な自信とみがきぬいた腕のえが、素人目しろうとめにも分るほど光っていた。 吉川英治『鳴門秘帖』より引用
  • らんもたれたお綱のひとみは、うつつのような色気に濡れて、弦之丞の腕の冴えならぬあの姿に、吸いつけられているではないか。 吉川英治『鳴門秘帖』より引用
  • 胴中から右と左の二段にタッタ一討ちの腕の冴えようは、当節の黒田様の御家中でも珍しかろう。 夢野久作『狂歌師赤猪口兵衛』より引用
  • それに、ショルティには、ポリフォーンな音楽の流れを、これ以上はちょっと考えられないくらいの透明さにまでよりわけてみせる腕のえがある。 吉田秀和『世界の指揮者』より引用
  • 次へ »