胡座をかく
21 の例文
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やがて出してきたのは、英里子の部屋から持ち出した写真の束だ。彼は再び床の上で胡座をかき、写真を一枚一枚見ていった。彼が抜き出したのは、津久見が二人の男女とファミリーレストランらしき場所で会っている写真だった。
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私とルフィオは床の上に向かい合って座り、即席の宴会になった。胡座をかくルフィオの足の間にタビがやって来てくるんと丸まった。「偶然じゃないよ」 ビールのプルリングを開けながら、ルフィオが言った。
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「お邪魔しておりやす」 伊三次は殊勝に頭を下げたが、内心でまずい人に出くわしてしまったと思っていた。「何んの用だ」 緑川は伊三次の横に胡座をかくと、横柄な態度で訊いた。
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広間にはすでに数人の姿が見える。棺の手前、こちらに向かって胡座をかき、眠ったように目を閉じているのは源隻だ。その隣で正装した源環とみのぶが正座で弔問客を迎えている。
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畳の上で胡座をかくと、友彦たちにも、座れよ、というように目で合図した。友彦は村下と共に座った。
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二つの湯飲みに男は水を注ぐ。一つを環樹に渡しながら、草の上に大きな胡座をかく。左手に煙管、右手に湯飲みを持ち、環樹は大きく欠伸をした。
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もう動きたくないというように、男は、そこに胡座をかき、空海を見あげて微笑していた。
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背筋、脚とも痛みはない。俺はその場に胡座をかくと、頭に手をやり、掻きむしった。普段目覚めた時とは感覚が速う。
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そして大切な物件は、あざやかに盗まれてしまったのである。僕は畳の上に胡座をかくと、全く途方に暮れてしまった。何本目かの莨を、火鉢の中に突きこんでいるときに、ようやく僕の決心は定まった。
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正式な場では正座が正しい座り方とされ、正座から胡坐に座り方を変更する事を「足を崩す」と言う。また『胡座をかく』という言葉は、呑気に構えて何の努力もしないことの喩えとしても用いられる。
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身体つきのがっしりした、素足にジーンズをはいた男であった。胡座をかき、奥の壁に背をあてて、酒を飲んでいた。短い髪をした、三十歳をいくらか越えたくらいの男である。
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広間には、四十人近い人間がいた。畳の上に胡座をかき、皆、思いおもいに酒を飲み、テーブルの上の料理に手を伸ばしている。前に出た北山に注目している者はひとりもいなかった。
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ようやく気分が晴れ、おれはパンツ一丁に口笛混じりで廊下を渡っていった。部屋へ戻ると、ゆきが卓袱台の前に胡座をかき、柿の種をポリポリやっていた。薄いブルーに花模様のパジャマ姿はなかなか乙女チックだが、相変わらず下着がスケスケで、しかもそれが黒一色ときちゃ、大人は生唾、子供は情緒不安定になりかねない。
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これがいっぺんに私を襲うのである。酷い時にはトイレの前に胡座をかきながら毛布にくるまって夜を明かすことさえある。夏ならまだしも、冬は死にたいほど辛い。
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手を俊彦のしなやかな腰にかけ、頭を持ち上げて、顔を近づけていく。俊彦が後ろに腰を落として胡座をかく姿勢を取ったので、美佐子は俊彦の膝にのしかかっていった。根元を指で押さえないと、勃起が腹にくっついてしまって口に含めない。
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安倍晴明の屋敷の、庭に面した濡れ縁である。胡座をかき、円座に尻を乗せて、瑠璃の盃に満たした酒を、口に運んでいる。
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ぼくは彼を迎えにいった。笠井君は自室の寝台の上で胡座をかき、壁に立てかけた天使の絵をながめていた。片手でしきりに額をこすっている。
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