聞えるか聞えない

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  • 彼女はつとめて微笑をしながら、私に聞えるか聞えない位の低声こごえで言った。 堀辰雄『風立ちぬ』より引用
  • 急に背中の娘が体をふるわせ、聞えるか聞えないかの声で、痛みを訴えた。 安部公房『密会』より引用
  • この港の静かな夜のなかでほとんど聞えるか聞えないくらいのかすかな物音だった。 モーパッサン/杉捷夫訳『ピエールとジャン』より引用
  • すえが聞えるか聞えないかの声で答えた時、また男の声が響いた。 渡辺淳一『花埋み』より引用
  • 打寄せる波の音は耳に聞えるか聞えないかぐらい穏かで単調だった。 福永武彦『海市』より引用
  • 幽霊は顔を伏せて、聞えるか聞えないくらいの声で言った。 北杜夫『マンボウぼうえんきょう』より引用
  • さういふ声も素子には、聞えるか聞えないほどであつた。 岸田国士『泉』より引用
  • と加藤がいうと、新吉は頭をさげながら、聞えるか聞えないほどの声でなにかいった。 新田次郎『孤高の人』より引用
  • 低い、聞えるか聞えないかの程度で、そとは永い雨も終ろうとするかすかな雨の音をつづけていた。 室生犀星『性に眼覚める頃』より引用
  • おちょぼ口をして聞えるか聞えないような声を出している、女の先生の声ばかり聞いていた僕等は、それですっかり先生に参ってしまった。 大杉栄『自叙伝』より引用
  • 堂内に居る人たちの口から、聞えるか聞えないかぐらいに、経をじゆす声が流れたが、すぐやんだ。 井上靖『星と祭上』より引用
  • それから彼女は聞えるか聞えない位の小声で言い足した。 堀辰雄『風立ちぬ』より引用
  • 頬はげっそり痩せ、口から出す声も、聞えるか聞えないかの精気のない重病人のそれになった。 井上靖『おろしや国酔夢譚』より引用
  • 「ここです、」とポオルは、聞えるか聞えないか解らないような、小さな声で答えた。 ロレンス/吉田健一訳『息子と恋人 上巻』より引用
  • 窓に倚つて輝き初めた星の光をボンヤリ見詰めてゐた美奈子は、低い声で聞えるか聞えないかのやうに答へた。 菊池寛『真珠夫人』より引用
  • 彼女は殆どすげないような目つきで私を見つめ返していたが、急にその目を反らせながら、 「ええ、なんだか帰りたくなっちゃったわ」と聞えるか聞えない位な、かすれた声で言った。 堀辰雄『風立ちぬ』より引用
  • セエラは聞えるか聞えないほどに、口笛を吹きました。 バーネット・フランシス・ホジソン・エリザ『小公女』より引用
  • それからっと聞えるか聞えないほどの声で、「御料紙の色さえわかり兼ねます位で、折角ながら何んとも読めませんでした」と言って、再び縁の方へすさって往かれた。 堀辰雄『ほととぎす』より引用
  • せいぜい旭飴あさひあめ一缶かんを与えて、あとは食事の折、聞えるか聞えないかくらいのぼそぼそした声で、藍子と周二の箸の持ちようをしかったりした。 北杜夫『楡家の人びと (上)』より引用
  • 「ありがたいしあわせでございまする」と、聞えるか聞えないかわからないほど低い声で、ていねいにお礼を申し上げました。 芥川龍之介『蜘蛛の糸・地獄変』より引用