翔ろ
全て
動詞
18 の例文
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アンジョーラは再び姿を現わした。彼は外部の暗黒の中をひそかに鷲のように翔り回って戻ってきたのである。彼はしばし、両腕を組み片手を口にあてて、人々の喜ばしい話を聞いていた。
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これまで見たことも聞いたこともない土地の上空を翔んでいるのだ。草原が涯しなくつづく広大な地域で、道もなく、橋もなく、都もない。
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どうせわれわれは、地上の戦闘のためにここまで翔んできたのだ!ツァルゴル軍の司令官は、無重量の金属の製造法について、われわれの知らぬ秘密の知識を持っているにちがいない。
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マーキュ はて、足下は戀人ではないか?すればキューピッドの翼でも借りて、鴉や鳶のやうに翔ったがよからう。ロミオ 彼奴の箭先かゝってゐるゆゑ、翼を借りたとても翔られぬわい、鳶や鴉のやうにも飛べず、悲しい思ひに繋がれてゐるゆゑ、鷹のやうに高うも飛べぬ。
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歯ぎしりするような気持で、私は連日遊び呆けた。月に一度は必ず、米軍の飛行機が鋭い音を響かせながら、峠の上を翔った。ふり仰ぐと、初夏の光を吸った翼のいろが、ナイフのように不気味に光った。
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肌のすべての部分が一様に展き爛れて、分秒のうちもゆるめずお互いの情火のたぎちを吸い込もうとするのであった。夜鳥の啼声が夜空をつんざきながら離屋の屋根の上を東へ翔んで行った。けたたましいその夜鳥の啼声がお新さんの官能を激しく刺戟して、遠く夜空の果へ消えると、秋の夜の部屋は一層静寂の底で、お新さんの生身の情火はお新さんの生娘の心へ一瞬燃え移って焔をあげた。
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竜蔵は、その真柴と同じ境遇にいた女性のことに、ふと、思いが翔んだ。西園寺靖子である。
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得意になって鞭をあてていると、どうも様子が変なので、そっと下を覗いてみた。するとどうだろう、馬は僕を乗せて空中を翔っているんだ。天馬空を翔るとはあのことだね。
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ヘリは彼らの姿を認めたらしく、一直線にこちらの方角へ翔んで来た。ヘリは現場の上空に着くと、何度も旋回した。
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利明は自分が燃えていることに気づいた。それと一緒に翔んでいるのではないかと思った。それが最後の力を放出し、次々と瞬間移動を繰り返し、空気の流動で発熱しているのだろう。
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その希いは余り激しくてね、私を休ませないのよ、燃えたたせます。物語や断章やになって、それらは翔んでゆきたいとあせっています。その一つの物語。
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私もよく自分が空を翔んでいる夢を見るのよ。あなたがパイロットになったら、私をあなたの飛行機に乗せてくださる?
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ロコモーションというのが「ロケーション」を母が聞き違えたのだと気づくのに三分かかった。「そうか、本当に美甘子は違う世界に翔んでいくのだな」と賢三は思った。美甘子の名が人々に浸透していくごとに、賢三は、美甘子に電話したり、まして会いに行こうという気持ちが失せていった。
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高校生になるや、足柄竜太の毎日の生活は、映画という暗闇にうずもれていた。午前中の授業が終りに近づく頃から、足柄竜太の心は映画館に翔んでいた。それは禁断症状のような激しさで襲い、午後の授業は抵抗することもなく駆逐されていた。
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万引という悪事に馴れているだけ、いったん枠を越えてしまうと、不貞にもなじみやすいのだろう。流行の言葉でいうと、森夫人は中年になってから「翔んだ」ことになるわけだ。
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既に地上は遠く、激突は際限なく高度を増していく。両者は足場など必要とせず、壁を蹴る反動だけでより高みへと翔っていく。
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さて朝早く生まれ、ばらの指をした暁が立ち現われるころ、彼らはまた馬どもを車に繋いで、細工のよい馬車に乗りこんだ。それから鞭をうって車を遣れば、二匹の馬はいそいそとして翔っていった。そして小麦をみのらす平野へ着いたが、そこがこのおりには旅路の果てとなるのであった。
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