罵詈雑言
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今にも歯軋りを始めそうな顔をしている真由美に、克人はそう相槌を打つことしかできなかった。多分、心の中で父親に対する罵詈雑言を九十九ほど並べ立てたのだろう。短くない時間が経過してようやく平静な表情を取り戻した真由美が、改めて克人の方へ向き直った。
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年も五十をすぎたが、江東の碧眼児と呼ばれたころの暴れん坊の片鱗をまだのこしている。とくに家臣がそばにいないとき、ずいぶんひどい罵詈雑言を口にした。魏帝親征ときいて、あわてて退却したことが、孫権には腹立たしくてならない。
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そして言い募っておりますうちに、一同怒りに襲われてまいりました。そこから罵詈雑言に至るまでの距離は、ただちに通過されてしまいました。かくのごとくして、われらの御主君帝王のいらせらるることも打ち忘れ、私どもは互いに相手を、お釜を掘られた野郎めだの、売女の息子だの、陰茎食らいだのと、罵しった次第でございます。
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そこで、妙子は犯人の要求を撥ねつける。のみならず、勝気な女だから、相手に罵詈雑言を浴びせたかもしれない。男はかっとなる。
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これだけの罵詈雑言を面と向かって言ったらどうなるか。ただですむはずがない。
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「いったいどうなさったの」猛り狂う女魔術師の口からほとばしる罵りの言葉を何とか説明にまで持ってこようとセ・ネドラは努めた。それにはまずこの罵詈雑言をやめさせなければならない。どうやらポルガラは彼女の言葉をいちいち爆発で強調せずにはいられないらしかった。
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言葉は聞こえない。だが、自分に向けられた罵詈雑言の数々は、じわっと頭に沁み入ってくる。一昨日の夜、裕之と妻は激しく諍ったのだった。
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というのは、われわれが通るのを見た群衆は、われわれをザニの捕虜だと思い、もし兵士たちがいなかったら、殺されるところであった。彼らは罵詈雑言を浴びせながら、王の宮殿の門までついてきた。護衛の将校は彼らに、われわれがザニではないと告げようとしたが、彼の声は喧騒のなかにかき消されてしまった。
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あれこれ理由をつけて、よく出かけすぎる。よくぞいえるなと思うくらいの罵詈雑言であった。
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「あなたの小説は私の性にあわないわ」などと言っているくせに全部読んでいて、折りにつけてこちらの胸にグサリと刺さるようなことを言ってくる。歯に衣をきせないという言い方の最たるもので、ほとんど罵詈雑言に近い。喚きたてているうちに、彼女は自分の言葉や声音の甲高さにますます興奮して手がつけられなくなる。
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外で立ちションさせていたらしい。老人に浴びせた罵詈雑言を全て聞かれていたに違いない。マークIIは逃げるように交差点を左折していった。
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車夫たちはお互に邪魔したことを微笑で詫び合った丈で走り続けた。私は即刻この行為と、我国でこのような場合に必ず起る罵詈雑言とを比較した。何度となく人力車に乗っている間に、私は車夫が如何に注意深く道路にいる猫や犬や鶏を避けるかに気がついた。
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二人とも私を味方につけようとして罵詈雑言言いにくるんだ。
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彼らは、ほかの生徒たちや一般の市民が通りかかると素早く普通の下校の態度を装うのだった。何日目かに罵詈雑言はその極に達し、脇村たちの耳に集中して襲いかかってきた。個人を中傷することば、母校の名誉を傷つけることば、西海高校の女生徒について捏造した非行の噂、聞くに堪えないことばが次つぎに浴びせられる。
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たとえ、罵詈雑言であっても、その裏に適正な軽重の評価が定まっている。冷えた躰を湯槽にゆるゆると入れる孫太夫に、内蔵助は上気した赭い顔で、事もなげに言った。
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同様なケースはこの部屋でわれわれの目にした中にもあった。そうなると、首は激昂して罵詈雑言をラス・サヴァスに浴びせるのである。
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近くを不用意に通りかかった今年の新人、森川安雄の袖を和美がガシッとつかんだので彼は電流が流れたように全身を強張らせた。もともと気の弱いタイプだったのだが、日々女子社員と営業職員の罵詈雑言を浴びているうちにますます気弱になってしまった。このところ神経衰弱気味なのか、名前を呼ばれるとびくっと固まるのが面白いのでついつい声を掛けてしまう。
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