緑青
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名詞
406 の例文
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その細君の性癖は蒼白い脂の滲み出たような肉体にかわった。蒼白い鬼魅悪い肉体の感じは緑青色の蛇の腹の感じといっしょになった。彼はまた胃のぬくみを感じた。
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金の純度を高めるために、銅が酸化したあとに熱して、そのあとに冷たい水につけた。ほうっておいたら緑青がついてひび割れてしまうのを防ぐためであった。最後に磨きの工程を行なったら完成であった。
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「動くな」 古代水晶宮語のアクセントを留めた声が、一同を凍結させた。その発源点で男たちは左右に分かれ、緑青のケープ姿を前方へ進ませた。「防御陣が中途半端とはいえ、よくここまで来た」 Dに負けぬ長身の、青白い男であった。
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青い海が見えるときは、飛行機が島から離れたときで、緑の海が見えるときは飛行機が島の周辺をかすめて飛んでいるときであった。緑の海の色が、緑青色ほどに濃く見えたとき、飛行機は大きく旋回した。どうやら着陸の態勢に入ったようであった。
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ロウは、包帯をしたほうの手で、彼女を押しのけた、「まあまあ、お嬢さま、ペイシェンスというお名前に恥じないようにしてくださいよ」それから、青年は急に真顔になると、「レーンさん、きっとお気に召すと思いますが」そう言って、負傷してないほうの手を前に出した。その指のあいだから、きれいに形をそろえた緑青色のつけひげがたれていた。それはあきらかに、謎の依頼人が、五月六日に、サム探偵事務所への記念すべき訪問のおりにつけていた、あの奇妙な顎ひげだった。
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全く砂はもうまっ白に見えていました。湖は緑青よりももっと古びその青さは私の心臓まで冷たくしました。ふと私は私の前に三人の天の子供らを見ました。
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全国的にその名を知られ、年間売り上げが5000両を越えることもあった滝ノ下緑青であるが、その製法は秘伝とされ、江戸時代末期には長登にある7軒の緑青商人の手によって、京都、大坂、江戸、尾張など全国に販売されていた。滝ノ下緑青の生産は明治以後も続けられたが1950年には製造が終了した。現在も残る滝ノ下緑青の製品を分析すると、粒度が揃っている良質な製品であったことが判明している。
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これらはしばしば「ケラーの窓」と呼ばれている。この聖堂は、特に緑青色の銅製の屋根によって遠くからも望むことができる。right|220px|thumb|聖ラムベルティ教会 聖ラムベルティ教会は、商人の寄進によって創設された、司教座聖堂に対する「対抗教会」である。
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三人はそちらへと向かった。相応に大きな鐘楼の建物と、そして緑青のふいた古くて立派な鐘がある。「えー、たしかね、この鐘から出ているいぼいぼがあるでしょう」 「おにいさん、乳、ていっていいわよ」 まな美は自身の胸を両手で隠しながらいう。
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江ノ島に渡ると目の前に、緑青が吹き出した青銅の大鳥居が立っている。その先に続く坂になった参道は道幅がせまく、早くも下ってくる人と、これからの参詣客とで、さらにいっそうの混雑ぶりだ。
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デュポンディウスはネロ以前にも鋳造されているしその後も作られたが、放射状の冠を加えておらず、アスとの区別が難しかった。また、緑青に覆われて本来の色がわからないことが多かった。マルクス・アウレリウス治世下の154年か155年の非常に珍しい保存状態のよいデュポンディウス貨が、2007年にロンドンの Draper's Gardens の発掘現場で見つかった。
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彼らは時速六十キロメートルの高速で、森林を抜け湿原を渡り、また森林に入り湿原に出て、やがて平坦な牧草地帯に達したとき、先頭の車両から順次停止して集結し、時を移さず九両ずつの横隊になり、再び前進を開始した。九両ずつの四十五隊は緑青色の鋼鉄でできた一個の巨大なキャタピラーのように見えた。その幅は約五十メートル、長さは延々と九百メートルにも達していた。
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信じられますか。使われている色は、白・黒・金・朱・群青・緑青・黄土と、これだけ。それだけの色を使ってこんな豪華絢爛な建築物ができているのですから、すばらしいの一語ですね。
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吐くものは大概水である。その色がだんだん変って、しまいには緑青のような美くしい液体になった。しかも一粒の飯さえあえて胃に送り得ぬ恐怖と用心の下に、卒然として容赦なく食道を逆さまに流れ出た。
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翌朝クネヒトは、金魚のいる水辺に腰をおろし、明暗と魔法のように戯れる色彩の小さい冷たい世界を見おろした。そこでは、濃い緑青とインキ色の暗黒の中で、金魚のからだが揺れていた。そして時々世界全体が魔法にかかり、永久に眠りこんで、夢の魔力にとらわれてしまったように思われた。
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塩基性炭酸銅の塩基性塩の総称である。銅の錆である緑青の主成分の一つであり、身近な塩基性塩の一つである。単に炭酸銅という時には正塩 ではなく、塩基性塩を指すことが多い。
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明くる朝、飯も食はずに上甲板へ出て見たら、海の色がまるで變つてゐるのに驚いた。昨日までは濃い藍色をしてゐたのが、今朝はどこを見ても美しい緑青色になつてゐる。そこへ一面に淡い靄が下りて、其靄の中から、圓い山の形が茶碗を伏せたやうに浮き上つてゐる。
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