紅い実

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  • 私はさっき尚平氏が『駄桃』と呼んだ、あの大きな紅い実を思い出した。 田久保英夫『深い河』より引用
  • 病院の敷地と接して林檎畑があり、風に落ちた紅い実がごろごろ転つてゐた。 福永武彦『第六随筆集 秋風日記』より引用
  • その紅い実をうかがって来る鴉のむれを、藻は竹縁ちくえんに出て追っていた。 岡本綺堂『玉藻の前』より引用
  • 写楽は、南天のあかい実を見ながら、外の冷たい空気に顔を当てた。 井伏鱒二『小説日本芸譚』より引用
  • そして太郎たろうさんのあかい実のような頬や、若い草のような髪の毛をそよそよと吹いた。 竹久夢二『朝』より引用
  • 「冬」はその年も槇の緑葉だの、紅い実を垂れた万両なぞを私に指して見せた。 島崎藤村『三人の訪問者』より引用
  • 石灯籠の下の万両の紅い実が粉雪をかついで美しかった。 子母沢寛『父子鷹 下巻』より引用
  • それからフレップという紅い実やトリップという紫の実のいっぱいにった広い広い野っ原もあるそうです。 北原白秋『フレップ・トリップ』より引用
  • 大きく広がった枝に、紅い実をたわわにつけている。 縞田理理『霧の日にはラノンが視える1』より引用
  • 「冬」は雪持の万年青に紅い実ののぞいてゐるところである。 木下杢太郎『本の装釘』より引用
  • 色づき始めた葉の合間あいまに、小さな紅い実が見え隠れしている。 縞田理理『霧の日にはラノンが視える1』より引用
  • しかし、ナナカマドの紅い実の雪をかぶった姿を見上げながら、陽子はいつのまにか、と、思っていた。 三浦綾子『氷点』より引用
  • 午後から日がさし、積った白雪と、常磐木、鮮やかな南天の紅い実が美くしく見える。 宮本百合子『小鳥』より引用
  • 午餐ひるめしの済んだ後、市郎は縁側に立って、庭の南天の紅い実を眺めていると、父の安行が又入って来た。 岡本綺堂『飛騨の怪談』より引用
  • あとは苅り残されの枯尾花かれおばな枯葭かれよしの二三本、野茨のばらの紅い実まじりにさびしく残って居る。 徳冨蘆花『みみずのたはこと』より引用
  • それは、山中の樹の下に生える一種のひょろひょろした樹で小さな珊瑚珠さんごじゅみたいなあかい実がなる、普通みな「老弗大」と呼んでいるものだ、と教えてくれた。 太宰治『惜別』より引用
  • 南天なんてんあか眼球めだまにしたうさぎと、竜髭りゅうのひげあお眼球めだまうずらや、眉を竜髭の葉にし眼を其実にした小さな雪達磨ゆきだるまとが、一盤ひとばんの上に同居して居る。 徳冨蘆花『みみずのたはこと』より引用
  • きこえるのは、薮柑子やぶこうじの紅い実をうずめる雪の音、雪の上にふる雪の音、八つ手の葉をすべる雪の音が、ミシン針のひびくようにかすかな囁きをかわすばかり、話し声はその中をしのびやかにつづくのである。 芥川竜之介『老年』より引用
  • きこえるのは、藪柑子やぶこうじあかい実をうずめる雪の音、雪の上にふる雪の音、八つ手の葉をすべる雪の音が、ミシンばりのひびくようにかすかなささやきをかわすばかり、話し声はその中をしのびやかにつづくのである。 芥川龍之介『羅生門・鼻・芋粥』より引用
  • 草間には小岩鏡の群落が花時の美観を偲ばせ、蔓苔桃つるこけももの紅い実がこぼれ散った宝玉を思わせる。 木暮理太郎『秋の鬼怒沼 』より引用

紅い実 の使われ方