粛々と
全て
副詞
332 の用例
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でも、学校で先生が進める授業には抗いようがない。
粛々と授業を受けるか、暇を潰すかくらいしかやることがないのだから。
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竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 07 皆殺し編』より引用
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もう、見ることはないと思います。
また一科学者として自分がやるべきことを粛々とやっていきたいと思います。
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これは訛りのない口調で、粛々とよく耳にする祈りの言葉が流れてきた。
祈りの言葉には宗派を超えて、なにやら人を厳粛な気分にさせる効果がある、と翠は思う。
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小野不由美『悪夢の棲む家 (下) 挿絵あり』より引用
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執念深い鉄棒はなおも間断なく働いて、兵士を倒し、瞬くまに第一部隊を殲滅した。
そうとは知らぬ第二部隊は、ついで音も立てずに粛々と進んで来た。
ただ今度の第二部隊は、隊長の命令で、兵士たちが断崖に出ている細い樅の木を折ってそれを束ねて松明を作り、それを隊長が振りかざしていた。
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アレクサンドル・デュマ/石川登志夫訳『鉄仮面(下)』より引用
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駆け込んできた二声氏は幕内に隠し、李斎は粛々と承州を進んでいった。
そして十日後、突然、空行師が舞い降りてきたのだった。
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小野不由美『十二国記 09 黄昏の岸 暁の天』より引用
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シャアは、あらためて、ガンダムが応酬しあっている方向を見たが、このエリアの敵の数にしては、あまりにもおそまつな数であると思えた。
その近くの別の小洞窟の闇の中を、ジェリドの部隊が粛々と移動していた。
かすかな光をキャッチするセンサーだけがたよりであった。
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富野由悠季『Zガンダム 星を継ぐ者』より引用
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カトリックで兄弟の多い家庭に生まれ育ち、バンカラの気風を排した旧制府立高等学校出身であり、戦争も経験した藤井は温厚な人柄で知られていた。
実績を上げながらも粛々と研究を進める姿勢に尊敬を受けることもあった。
しかし研究指導では手を抜かない厳しい一面もあり、井上博允は学位審査前日に「もっと自信を持って研究してもらわないと困る」と言われ、大島徹は「君を研究者として認めたのではなく、研究者のスタートラインに立つのを認めただけです」と言われている。
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張飛は曹操の大軍に押し寄せられて、天にも昇る歓喜を味わっており、これから始まる大量殺戮のことを考えるとうっかり射精してしまいそうなほど興奮していたのである。
それが、何故だか分からないが、急に粛々と撤退し始めたのである。
生命の迸りのピークを体験していた張飛は天国から地獄に突き落とされたかのようなショックを受けた。
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酒見賢一『泣き虫弱虫諸葛孔明 第弐部』より引用
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しねくねと思案をつづけていると、また敵に変化があらわれた。
本陣に残留していた百騎が、粛々とこちらに馬を進めて来はじめたのだ。
ここに本隊があることを知って、決戦をいどみかけて来るつもりと推察された。
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海音寺潮五郎『平将門 下巻』より引用
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その粧い、物の具も着ず、小袖の上に黒い木綿の道服を着、十文字槍を馬の平首にひきつけただけであった。
北条氏の本陣の前を、馬を走らせもせず、粛々と打たせて城に入った。
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海音寺潮五郎『史談と史論(下)』より引用
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やがて、全員が揃った旨を告げる銅鑼が鳴った。
朝堂に整列していた官吏たちは、粛々と堂を出て外殿へと向かった。
その短くはない道程の間、やはり口を開く者はいなかった。
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小野不由美『十二国記 10 華胥の幽夢+漂舶』より引用
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たちまち着てしまった。
しかし、もうそのころには、各隊粛々と岸の船に乗りこみつつあった。
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海音寺潮五郎『天と地と(五)』より引用
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数人の植木師が走って来て、一所へ集まって囁き合い、ひとしきりそこに混乱が起こった。
がすぐに混乱は治まって、一隊は粛々と動き出し、林は先へ進んで行った。
しかし見れば往来の一所に、黒い大きな斑点が出来ていた。
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国枝史郎『仇討姉妹笠』より引用
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中国は米ロのINF条約の締結により、自国の周囲に米国の弾道ミサイルの無い事実上の「核の緩衝地域」を漁夫の利として何の犠牲もなく得た。
他国から干渉されず粛々と核ミサイルを増強し爪を研いでいたのである。
現状では中国と周辺国との間には非常に大きなミサイル・ギャップが眼前と存在している。
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どうやらお手伝いさんらしい。
その女の人は粛々と僕らを出迎えると、奥の洋間へと案内してくれた。
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清野静『時載りリンネ!2 時のゆりかご』より引用
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病院で前畑滋子も言っていたことだけれど、今のところ、栗橋浩美と高井和明の二人組を事件の犯人だとする推定を大きくくつがえすような事実は出てきていないのだ。
警察の裏付け捜査も、その線に沿って粛々と進んでいるのだろう。
滋子の言っていたとおり、彼らが犯行に使ったアジトを見つけることができれば、今は物証の薄い高井和明についてだって、動かし難い証拠が出てくるかもしれない。
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宮部みゆき『模倣犯 下』より引用
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衛生材料がいっぱいつまった赤い十字のついた大きな箱が配給されてきた。
どこからどこへ行くのか、重機関銃をもった一隊の兵士が、粛々と声もなく通りすぎていった。
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海野十三『空襲警報』より引用
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濠端には、城下の者が名残りを惜しんで並んで見送っていた。
この声のない人垣の間を、色も同じ裃の波が粛々と流れて行った。
先頭に大石内蔵助が、いつも見掛ける姿勢で悠然とふとった小柄な体を運んで行く。
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大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
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天主の屋根に舞う鳩の羽根を、陽が染めている。
一同が粛々と横切って行く広場にはまだ日がさしていない。
爽やかな空気が不眠の額にふれた。
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大佛次郎『赤穂浪士(上)』より引用
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何より、酒井もまた、堀田正俊という新世代に我から座を譲った男だった。
かの花町宮親王が後西天皇となってのち、粛々と霊元天皇に位を譲ったように。
あるいは光國が、大義をもって兄の子を次代藩主に迎えたように。
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冲方丁『光圀伝』より引用