筆を染める

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  • 戦後、長じて教師となった遠藤は、教壇に立つ傍ら児童文学に筆を染める。
  • 少女小説に筆を染める人々は丁度大学の教授よりも、小学校の教師の方が責任が重いと同じ様に、大した作をする人々よりも一層の注意と責任と思慮が必要なんです。 宮本百合子『現今の少女小説について』より引用
  • 演劇改良会その他が劇の向上を促して、局外の文士で劇作に筆を染める人がおいおい現われて来たことは前にも言った。 岡本綺堂『明治劇談 ランプの下にて』より引用
  • 二三の作家が、探偵小説に筆を染めるという話をきいているが、これは当然の成り行きであって、その作家が、わざと調子をおろしたり、読者を軽蔑してかかったりしない限り、決してその作品が「芸術的」に価値の少ないものにならぬだろうと私は思う。 平林初之輔『日本の近代的探偵小説』より引用
  • 猫も杓子も戯曲に筆を染める時代といふ意味でもあり、舞台にかゝらない戯曲が、活字としてのみの存在を認められる時代といふ意味でもあつた。 岸田国士『幕は開かない』より引用
  • 思い思いに寄りつどって色紙や短冊に筆を染める者もあった。 岡本綺堂『玉藻の前』より引用
  • ついでながら、自分のような門外漢がこの講座のこの特殊項目に筆を染めるという僣越せんえつをあえてするに至った因縁について一言しておきたいと思う。 寺田寅彦『映画芸術』より引用
  • この頃からエッセイに筆を染める。 スティーヴンスン/田中西二郎訳『宝島』より引用
  • しかしこの二つの未完の小説は、理由はともあれプロレタリア文学を志向していた高校時代の作風の余燼であるが、以後太宰は、現実の非合法運動に関わりながらも、その種の傾向小説に筆を染めることはなかった。 野原一夫『太宰治 生涯と文学』より引用
  • サンドが『魔の沼』において「田園小説」に初めて筆を染めるに至った動機については、序文代りの冒頭の二章に詳しく述べられているが、これを文学史的に見れば、彼女もまた無意識のうちに当時のローマン主義文学一般の動向に従ったものと言えよう。 サンド/宮崎嶺雄訳『魔の沼』より引用