端境期
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名詞
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「連絡を受けて、お待ちしていましたよ」 泰は二人を歓迎してくれた。山は秋と冬の端境期にあって、最も閑散としている時期であった。高所の稜線は冠雪しているが、根雪になるほどではない。
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前の専売局の返事は多分政略的なもので、今頃になると、煙草の量が事実上毎年減少するのではないだろうか。米は今頃が端境期だというが、煙草もそうなのではあるまいか。読売夕刊ブエノスアイレス電によると、敵米国の朝野には最近「ラバウルへ、ラバウルへ」という掛声が切実なものとなり、太平洋戦に民衆は力瘤を入れているという。
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本名、上林重徳。日本の近代デザイン史において、杉浦非水と山名文夫の端境期に活躍した。
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蛤の吸い物が特に良かった。蟹が終って、やや端境期なのであるけれど、春の遅い北陸の山菜がある。その山菜強飯がうまい。
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餓死者が最も多くなるのが、旧暦の春から初夏にかけてである。春から初夏にかけての端境期が、食料が底をつく季節であることがその理由である。そして、それは「中世の地域に生きる人の一般的なあり方」でもあった。
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ちょうど端境期みたいなところで、音楽に非常にテクノロジーが要求されていた時代でしょ。だから、これまで我流でやってきた銀次は見事に壁にぶち当たるんです、ガーンと。
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しかも丈夫で、気候に左右されず、必ず姿を表わしてくれる。野菜の端境期になくてはならない貴重な存在なのだ。使える土地がたくさんあれば、多年草の植物をふやしていく。
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ホテル側にしても困る季節だろう。冷房と暖房の端境期といった感じで、とにかく昼と夜の気温差が大きすぎるのだ。ところが、ホテルへ着いたら中がひんやりとして、おまけに薄暗いのだ。
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日本における人命の喪失の大半は七月以降に生じた。米穀の端境期に当たる夏場に至って、食糧不足はいよいよ深刻になったからである。治安の回復も意外なほどに手間取った。
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その武器によって、一度かぎりしか生きられない命を、それ以外はないような生き方で生きてみるのだ。少女と女の端境期にあって紀久子は、毎日暗い海を見ながら、光にみちた外界へ脱出する日に挑戦していたといえる。
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北陸地方では、秋の長雨がこないうちに収穫を行う。ほかにも、保存性の高い米といえども新米の方が美味であり商品性が高く、端境期で価格が高くなっている時期に出荷する、という理由もある。米の種類で言えばコシヒカリはその代表格であり、同種は他の米よりも1ヶ月程度早く、8月終わりには収穫が始まり、二百十日から二百二十日の間ごろまでに収穫が完了する。
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フリーのとんねるずもデビュー前に誘われた。設立当初はキャバレーの仕事が多く、お笑いが徐々にテレビ番組へと移行していく端境期だった。玉川は45歳になるまで、所属タレント全員のマネージャーとしてスケジュール管理などを行っていた。
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また、台湾は「台風銀座」とも呼ばれ、毎年多くの台風が通過し、バナナ畑にも被害をおよぼす。台湾が日本の統治下にあった時代に、日本人が現地の農民に日本の果物の端境期である春先から初夏の時期にあわせて出荷できるように、バナナ栽培を指導していた。同じ台湾バナナでも、時期によって色、形態が微妙に変化する。
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少女からおとなになる端境期にあるわたしは、紫色にはれあがった顔を学校でみられることがたまらなくいやになっていた。わたしはせっかんされているあいだじゅう、「ごめんなさい、ごめんなさい」とわめきながら、「顔をぶたないで、顔をぶたないで」と泣きさけんでいた。
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製粉工程の乾燥が強すぎた蕎麦粉や、管理が悪く乾燥した蕎麦粉では秋新であっても低いレベルで品質がバラつかない事も考えられる。新蕎麦とは正反対の旬が過ぎてから端境期までの蕎麦が、栽培技術や冷蔵技術が発達していなかった時代に名付けられた。陳には「劣る、古い」という意味がある。
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獣肉はごく新鮮なうちは肉から内臓まで生で食されるが、やはり狩猟の端境期を考えて乾し肉に加工される。
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王安石の青苗法を参考にしたと思われる。社倉とは収穫物を一時そこに保存しておき、端境期や凶作などで農民が窮乏した時に低利で貸し付けるというものである。こうした貸付は地主も行っていたが、利率が10割にも及ぶ過酷なものであり、これが原因で没落してしまう農民も少なくなかった。
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