空気を切り裂くよう
22 の用例
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普通の拳銃と何も変わらない、空気を切り裂くような乾いた音が響いて。
平坂読『ホーンテッド! 1』より引用
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空気を切り裂くようにして、光の矢のようなものが鏡から飛びだしてきた。
一瞬かわすのが遅かったら、それは確実にヴァーミリオンの胸をつらぬいていたことだろう。
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大野木寛『ラーゼフォン第03巻』より引用
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一瞬、ホロの体の向こうに、後ろから迫る狼を振り向いた男の気の毒な顔が見えた。
直後、空気を切り裂くような悲鳴が短く聞こえ、すぐに静かになった。
ホロはしばらく軽く走った後に立ち止まった。
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支倉凍砂『狼と香辛料Ⅱ (電撃文庫)』より引用
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訴えかけるかのように。
キングの飼い主が、早朝の空気を切り裂くような鋭い悲鳴をあげ始めた。
棒立ちになったまま、真一は反射的に手をあげ、耳を覆った。
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宮部みゆき『模倣犯 上』より引用
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また、雷鳴が聞こえたのだ。
今度の雷鳴は先ほどのそれよりも鋭く、空気を切り裂くような嫌な音だった。
紳士たちは、ぴたりと口を閉じた。
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C★NOVELS『創刊25周年アンソロジー』より引用
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遠くから、空気を切り裂くような音が聞こえてきて、彼等は同時に言葉を切った。
大きさの違う三つのプロペラが、それぞれ不揃いなリズムを生みだしている。
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喬林知『今日からマ王 第10巻 外伝 「お嬢様とは仮の姿!」』より引用
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馬のひづめと馬車の車輪が、土から敷石へと変わった道路に硬質の音を響かせる。
ひんやりと冷たい空気を切り裂くように、レンリの爽やかな声が命じた。
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九里史生『SAO Web 0407 第八章02』より引用
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かれは強引に自己主張するタイプではなかった。
バットを振っても空気を切り裂くような音がするわけじゃない。
いかつい体つきなのだが、静かなるバットスイングである。
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山際淳司『男たちのゲームセット』より引用
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夜、部屋に戻り明かりをつけたら、閉め忘れた窓から侵入したらしいネズミが床を横切ったという。
ピアノ科とヴァイオリン科の友人は空気を切り裂くような悲鳴を上げたのだけれど、その先輩だけは唇を掌で押さえて必死に我慢したという。
悲鳴は、声帯が無防備な状態のときに突発的に発してしまうので、喉に悪いという。
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新堂冬樹『ある愛の詩』より引用
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いつの間にか、その体全体がぽうっと光を放ち、額の真ん中からは青く光る角が伸びている。
顔を前に突き出し、角の先端で空気を切り裂くようにして、光の尾を引きながらすごい勢いで走っている。
やがて、ミュウミュウはトラックをそれて、ゴールポストにむかって一直線に走っていった。
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古橋秀之『タツモリ家の食卓2 星間協定調印』より引用
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裏庭をのぞいてみるつもりなのだろう。
そのとき、空気を切り裂くような悲鳴が聞こえた。
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野村美月『文学少女シリーズ03 “文学少女”と繋がれた愚者』より引用
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その倉庫と倉庫の間を二人歩き、隅田川の川沿いに出た時、突然川向うの、玉の井かあるいはもっと先の荒川あたりと思われるところの上空に、真黒いものと真白いものとのかたまりが花火のようにあがり、まるで中空に幅広い幕を張ったようなものが見え、つづいて地にひびく砲声か爆裂音のようなものがとどろいた。
「何だろう」と、思った瞬間空気を切り裂くような甲高い音がして、倉庫の屋根に金属音をたて落ちて来たものがあった。
それはいくつも屋根の上をとびはねて、やがて路上に落ちて来た。
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巖谷大四『懐しき文士たち 昭和篇』より引用
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まず最初に、パワーボートめがけて火を噴いたのは甲板上と側面に配された七十六ミリ単装砲だった。
次々と装填された砲弾が朝の空気を切り裂くような発射音と共に放たれ、数秒の間をおいて着水、爆発する。
だが、アオイは難なくこれをかわし、みるみる肉薄していく。
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神野オキナ『あそびにいくヨ!第02巻』より引用
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空気を切り裂くような声で泣く少女には見向きもせず、男はマバタキが極端に少ない目で、遠くを見つめたままだった。
つい今さっき、電信柱の真下を通ったアベックがゆっくりと遠ざかっていた。
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中場利一『えんちゃん 岸和田純情暴れ恋』より引用
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前方の空気を切り裂くように。
西尾維新『刀語 11 第十一話 毒刀・鍍』より引用
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須永の叫ぶ声が、後続の工藤たちの耳にも達した。
空気を切り裂くような鈍い銃声が、ついで飛び込んだ佐文字の機関銃速射音と重なって聞こえた。
須永の言葉は、まさしく的を射ていた。
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山田正紀『火神(アグニ)を盗め』より引用
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暁近くなって、家来共がまどろんだ。
たちまち空気を切り裂くような、叫び声が響いた。
人の声らしく無い。
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森鴎外訳『諸国物語(下)』より引用
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銃声は聞こえなかった。
だが、あの、空気を切り裂くような音は、絶対に、弾丸が、頭上をかすめた音だと、十津川は、確信した。
十津川警部は、一か月に二回、万一に備えて、拳銃の練習をする。
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西村京太郎『殺しのバンカーショット』より引用
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自己プロデュースもへったくれもない、空気を切り裂くような雄叫びをあげ、南空はドアの前から跳び、飛びつくように、拳銃と手錠へと手を伸ばした!
ひっつかみ、そして、すぐさま踵を返す。
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西尾維新『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』より引用
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だがどうこの場を切り抜けたら良いのか、俺には判らなかった。
混乱し、困り果てた俺を救ったのは、空気を切り裂くようにピーピーピーツと鳴った出動指令のサイレンだった。
とたんに空気が一変する。
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日明恩『埋み火』より引用