私の国語教室
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この対立は、結局六〇年代に入り、現代仮名づかいの勝利で決着がつく。ところで、この時期の文学者の対応を見ると、一九六〇年、『私の国語教室』を書き、先頭に立って国語審議会の現代仮名づかい導入に反対した福田恆存を筆頭に、三島由紀夫など少数の文学者はなお歴史的仮名づかいに固執するが、他の多くの文学者は、さみだれ式かつなし崩し的に現代仮名づかいへと移行していく。たとえば大岡と同世代の武田泰淳は、一九五四年の全四巻の作品集までは歴史的仮名づかいを用いているが、五五年の単行本では現代仮名づかい、以後、歴史的仮名づかいに戻り、その後再び現代仮名づかいに返るという動揺を示している。
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見られるように、戦前と戦後の差違は、徹底的に貫徹されているのである。大岡は、一時は現代仮名づかいの「悪」が福田の『私の国語教室』を読んでとくとわかったから、もう「新かな」は使わない、と書く。
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