磯臭い
全て
形容詞
27 の用例
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大型個体は却って味が落ち、シガテラ中毒の危険もあるので食用には向かない。
また、死後に時間が経つと磯臭さが強くなるので、この点でも注意を要する。
主な料理法は刺身、洗い、寿司種、塩焼き、煮付け、唐揚げ、ポワレなど。
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海に向かった窓から、ひときわ強い風が入った。
僅か三部屋の小さな家の中を、磯臭い風が吹き過ぎると、音吉は窓に寄って海を見た。
かっと照りつける日ざしが目を射た。
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三浦綾子『海嶺(上)』より引用
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二人は元の路を逆に歩いているつもりであったが、どう間違えたものか、変に磯臭い浜辺へ出た。
そこには漁師の家が雑貨店と交って貧しい町をかたち作っていた。
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夏目漱石『行人』より引用
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二台の人力車はその間に磯臭い墓地の外へ通りかかつた。
蠣殻のついた粗朶垣の中には石塔が幾つも黒んでゐた。
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芥川竜之介『或阿呆の一生』より引用
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「めのこ飯」といって、荒布を煮て細かく切って微塵に叩いたもの三分、粟が五分、そして米が二分、これを水で炊いたしろものだ。
はじめの二日ばかり磯臭くて閉口したが、それでも、これだけが命の綱と思えば贅沢はいわれぬ。
三日目からは荒布の細片ひとつ、粟ひと粒も残さず平らげるようにした。
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井上ひさし『手鎖心中』より引用
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釣りや定置網などの沿岸漁業で漁獲される。
夏は身が磯臭いが冬には磯臭さが薄れるので、冬が旬とされる。
ただし、磯釣りでオキアミ類が撒き餌として大量に使われるようになり、食性が変化したのか磯臭さがなくなったともいわれる。
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釣りや定置網などの沿岸漁業で漁獲される。
夏は身が磯臭いが冬には磯臭さが薄れるので、冬が旬とされる。
ただし、磯釣りでオキアミ類が撒き餌として大量に使われるようになり、食性が変化したのか磯臭さがなくなったともいわれる。
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どうちがうかというと、匂いである。
獲れたての魚を、生で口に入れると、いわゆる磯臭さとちがった、一種のいい匂いがある。
あれが、東京の魚にない。
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獅子文六『食味歳時記』より引用
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二台の人力車はその間に磯臭い墓地の外へ通りかかった。
蠣殻のついた粗朶垣の中には石塔が幾つも黒んでいた。
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芥川龍之介『或阿呆の一生・侏儒の言葉』より引用
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掛かった際の引きは強いが、頭を振って竿が震えるためメジナなどと区別できる。
身は磯臭いが、新鮮なうちに内臓を傷つけずに除去し、血抜きをするとよい。
また、冬には臭みが薄れる。
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多くの種が食用として利用されるが、一部の種では釣ってすぐ締めないと磯臭いにおいがするという。
沖縄では食用のほか、クロハギなどは釣りの対象としても好まれている。
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夏は身が磯臭いが冬には磯臭さが薄れるので、冬が旬とされる。
ただし、磯釣りでオキアミ類が撒き餌として大量に使われるようになり、食性が変化したのか磯臭さがなくなったともいわれる。
魚屋やスーパー等の鮮魚売場で売られる「黒目鯛」はメジナのことである。
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お客をとりまくくだりの泉岳寺の土産の猪口のくすぐりよく、若い衆がいつも言いかぶされてしまうあたりまたじつに愉しく、これはこの噺そのものも傑されているし、可楽もいい演出をしてくれたのだと思いました。
この前は翌朝、戸をあけてフーッと深呼吸をし、磯臭いものを感じさせたが、今度はお台場のことを言って雰囲気を出した。
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正岡容『随筆 寄席囃子』より引用
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海岸へ出ると、眺めはまるで変ったものになった。
風があるのか、海面には小さい波が立ち騒いでおり、くるまの中に潮風と共に磯臭い香いが吹き込んで来た。
くるまは三津へ通じている海沿いの道を走った。
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井上靖『崖(上)』より引用
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夏には小動物を、冬場はハバノリなどの褐藻類を食べる。
そのため、夏は磯臭いが冬場は臭みが少なくなり美味となる。
磯釣りの対象魚である。
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四国・九州・沖縄などでは市場にも流通する。
毒の棘をもつうえに肉が磯臭いので人や地域により嫌われるが、徳島県や和歌山県などでは美味な魚として珍重する。
「アイゴの皿ねぶり」という言葉もある。
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クロダイ、シロギス、アジなどの沿岸魚を釣る際に外道として揚がることがある。
身は歯ごたえのある白身で、クロダイのような磯臭さもない。
刺身、カルパッチョ、塩焼き、煮付けなどに利用される。
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十分の思慮もせずにこんな生活の渦巻きの中に我から飛び込んだのを、君の芸術的欲求は何処かで悔んでいた。
その晩磯臭い空気のこもった部屋の中で、枕にはつきながら、陥穽にかかった獣のようないらだたしさを感じて瞼を合わすことができなかったと君は私に告白した。
そうだったろう。
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有島武郎『生まれ出づる悩み』より引用
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釣り、定置網、刺し網、銛など各種の沿岸漁法で漁獲される。
身はタイ科らしく歯ごたえがある白身で、特に旬を迎えた夏頃のものはマダイにも劣らない美味とされるが、やや磯臭いと言う者もいる。
刺身、洗い、塩焼き、煮付けなど和風料理の他、ムニエルやアクアパッツア等の洋風料理でも食べられる。
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掲示は通行の妨害になるから橋の上で釣をすることを禁ずるというのである。
しかしわたくしは橋の欄干に身を倚せ、見えぬながらも水の流れを見ようとした時、風というよりも頬に触れる空気の動揺と、磯臭い匂と、また前方には一点の燈影も見えない事、それらによって、陸地は近くに尽きて海になっているらしい事を感じたのである。
探険の興は勃然として湧起ってきたが、工場地の常として暗夜に起る不慮の禍を思い、わたくしは他日を期して、その夜は空しく帰路を求めて、城東電車の境川停留場に辿りついた。
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永井荷風『放水路』より引用