破れ障子

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  • 四高弟の眼には、そのせつな、破れ障子のような武蔵のすがたが見えた。 吉川英治『宮本武蔵』より引用
  • 末の子の襁褓むつきでもえているらしく、やぶ障子しようじかげに、妻の影がうごいた。 吉川英治『新書太閤記(五)』より引用
  • すると突然横の方の破れ障子の蔭から轉げ出すやうにして、一人の男が現はれた。 上司小剣『ごりがん』より引用
  • 浪人者と女の顔は、破れ障子の蔭に隠れていて、よく見えなかった。 笹沢左保『地獄を嗤う日光路』より引用
  • 二人はハッと顔を見あわせると、破れ障子を蹴倒して一人の男がころげ出した。 岡本綺堂『半七捕物帳全集(69作品)』より引用
  • やぶ障子しょうじに強い風が当ったような音をたてて彼はつのげんのしょうこをすすった。 海野十三『鞄らしくない鞄』より引用
  • その声に破れ障子しようじがピシリと腹立たしげな鋭い音をたててしまる。 半村良『産霊山秘録 上の巻』より引用
  • これからは破れ障子の部屋で暮らし、火鉢の炭も使わないようにしなければと高次は覚悟した。 二宮隆雄『海援隊烈風録』より引用
  • と二三度繰り返すと、何の返事も無いままに、格子の中の玄関の破れ障子しょうじがガタガタといた。 夢野久作『空を飛ぶパラソル』より引用
  • かみのかたには寝室用の狭き一間ひとま、それに破れ障子を閉めてあり。 岡本綺堂『影』より引用
  • 土間には炉を切りて、上のかたには破れ障子を閉めたる一間あり。 岡本綺堂『人狼』より引用
  • 覚えていらっしゃらないでしょうね、骨がしっかりしていて、布地はもう破れ障子であったの、それを直して。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • 間もなく西山と柿江とのいる部屋の破れ障子が開いて、西山がそこから頭を突きだして空を見上げながら、大きな声で柿江に何か物を言った。 有島武郎『星座』より引用
  • と破れ障子を開けて縁側から声を掛けます。 鈴木行三『菊模様皿山奇談』より引用
  • 三十ワットの暗い電燈の下、破れ障子を背にして細ぼそと語るおサキさんのしわ深い顔に、わたしは、わが娘のあどけない顔を重ね合わせずにはいられなかった。 山崎朋子『サンダカン八番娼館』より引用
  • が男はなお楊子で耳をほじりながら、破れ障子の間から外にけぶる銀色の霧雨を眺めている。 山田風太郎『姦の忍法帖』より引用
  • 破れ障子を開けると六畳のささくれだった畳の部屋があり、正面の壁の棚に荒く彫られた阿弥陀仏の木像が坐っている。 南木佳士『阿弥陀堂だより』より引用
  • これはまた他の宿で、薄暗い破れ障子の向うから、そう呼び掛ける心細げな小島の声を私は、何度となく聞いた。 安岡章太郎『良友・悪友』より引用
  • 毛一本もない入道頭、眉さえない兵部の半面が、片側の破れ障子からもれるに浮かんで、私はこのときほどこの老人を怖ろしいと思ったことはありません。 山田風太郎『魔群の通過』より引用
  • 破れ障子の引き戸を開けて部屋に入ると、月代さかやきが伸びたせぎすの男が、腕枕でうたた寝をしていた。 二宮隆雄『海援隊烈風録』より引用
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