着る
全て
動詞
4,818 の用例
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おれは山に狩りに行く時に着るのに、そんな着物がほしいと思うていた。
海音寺潮五郎『天と地と(一)』より引用
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子供の方が、どうやら生活力のある御時世である。
住むに家なく着る物もない人間が、はるかに余裕ある生活を営んでいる。
九ツぐらいの子供が悠々とタバコをお吸いになって、十円めぐんで下さるのである。
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坂口安吾『ヤミ論語』より引用
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下着に脚を通そうとして、ふとためらった。
もう人間でないなら、服を着る必要もないのではないかと思ったのだ。
キマイラやバジリスクが服を着ているなんて、聞いたことがない。
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山本弘『サーラの冒険 Extra 死者の村の少女』より引用
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テンプル騎士団に入団する者は入団式のとき、キリストを否定するしるしとして、十字架につばを吐きかけたり足で踏みつけるよう強いられた。
これがすむと初めて、団員の着る帯つきの白い長衣を与えられたという。
また、つぎのようなエロチックな入団式が行なわれたという話もある。
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桐生操『黒魔術白魔術』より引用
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黒地にオレンジのラインが入った、ワンピース水着だ。
白のビキニも持ってきていたが、宗介の前で着る気はとうに失せていた。
水着の上にバスタオルを羽織ってキャビンに戻ると、宗介がウェット・スーツを着ているところだった。
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賀東招二『フルメタル・パニック!03 揺れるイントゥ・ザ・ブルー』より引用
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その言葉が権威を笠に着るものであれば、まだましだったかもしれない。
ただ、レイノルズのその発言はとても重要だ。
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支倉凍砂『狼と香辛料Ⅸ 対立の町<下>』より引用
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そのうち、三人がチャイナドレスを着ていた。
この店では中国から来た子は、チャイナドレスを着ることになっている。
チャイナ服の三人はともに上海出身で、在留資格は一応「就学生」になっている。
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吾妻博勝『新宿歌舞伎町 マフィアの棲む街』より引用
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最後のコンサートが行われる日、表面的には変わったことは何も起きなかった。
華やいでいたのは、彼ら五人のメンバーが着る衣裳ぐらいだっただろう。
小田和正は淡いクリーム色の上下のステージ衣裳をあつらえた。
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山際淳司『Give up オフコース・ストーリー』より引用
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仕事って、人間をそんな風に巻き込んでしまう熱気みたいなものがあるのね。
そして気が付いたら、私は着物を着る必要のない女にされてたのよ。
私の体は銀行からの贈り物というわけよ。
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半村良『楽園伝説』より引用
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一寸想像がお出来にならないでしょう。
勿論この節ですから、食べるものでも着るものでもありませんけれども。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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満面の笑みを浮かべて現れたのは、最強の王族神だ。
王妃ですら着るものもままならぬというのに、どこで手に入れたのだろう。
聞得大君は最高級の友禅の打ち掛けを羽織っていた。
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池上永一『テンペスト1 若夏の巻』より引用
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と言ったところ、そんなことはない、と否定された。
甘い服を着ると、顔の甘さがますます強調されるようで嫌なんだそうだ。
なるほどなあ、と思った。
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林真理子『美女入門 PART2』より引用
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こうなれば、フレンチ・デンを離れてまるまるなん日行動しても、もうだいじょうぶだ。
少年たちは、着るものも身軽になって、大喜びで春の到来を迎えていた。
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ヴェルヌ/金子博訳『二年間の休暇(15少年漂流記)』より引用
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冬のことでオーバーを着て出かけたのだが、暖房のきいた歌舞伎座に人ってオーバーをぬいでみると、その下はワイシャツだけであったのだ。
どうやら家でやはり暖房をつけた部屋で、上衣を着るのを忘れたらしい。
そのままオーバーを着てしまったので、家内も気がつかなかったのだ。
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山田風太郎『死言状』より引用
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私は学習院は落第したが、モーニングだけは着ていました。
それよりほかに着るべき洋服は持っていなかったのだから仕方がありません。
そのモーニングを着てどこへ行ったと思いますか?
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夏目漱石『私の個人主義』より引用
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ひんばん つど ない魔法をかけられてからというもの、カイルロッドは頻繁に馬にされ、その都度、筋肉 痛に泣いているのだが、今回はこれまでの比ではない。
なにしろ人間に戻って、服を着る のにも大変な苦労をしたのである。
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冴木忍『カイルロッドの苦難 3 愁いは花園の中に』より引用
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袈裟の生きている間は、気力がありすぎて付き添いの者を疲れさせることはあったが、そのほかは手のかからない子であった。
食べ物に好ききらいはないし、着るものにもこごとを言ったことがない。
長男の晴景など、この点では女中らがこまったのだ。
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海音寺潮五郎『天と地と(一)』より引用
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それは日を重ねるごとに激しくつのる思いで、Kと再会したら、こうも言おう、ああも喋ろうと、様々な言葉を何度頭の中でくり返し反芻したかわからない。
今夜着るものだって、十日間の間に五着も六着も想像の中で変更したのだった。
アクセサリーも、鏡の中で取っては別のをつけ直し、結局、イヤリングもネックレスもダイヤモンドも、おまけに結婚指輪まではずしてしまったのだった。
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森瑤子『彼と彼女』より引用
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窓辺をはなれると、プルーデンスは自分ひとりで着替え、髪の毛を整えた。
その日着ようと選んだのは、霧にけぶる森のような淡い緑灰色の衣装だ。
袖や裾の周りには常緑樹の色の細い飾り布をあしらってある。
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西東行『鳥は星形の庭におりる』より引用
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そこに立っているのは女だった。
たっぷりと布を躰に巻きつけた彼女の服は、私の着るアコメに似ていた。
だが、それよりも遥かに軽く薄そうな生地だ。
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牧野修『だからドロシー帰っておいで』より引用