眺める目つき
6 の用例
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伊庭は地図から顔をあげ、腕を組んで遠くを眺める目つきになっていた。
それは案外遠い道のりであるのかも知れない。
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半村良『戦国自衛隊』より引用
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鹿山渉の中でなにかが波のように引いていくのが分かった。
デートしたい「隠れ美人」ではなく、残念な相手を眺める目つきに変わっている。
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三上延『ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~』より引用
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歌っているものも、喋っているものも、黙りこくっているものも、しばらく磨いてはすこし離れて車体の光り工合をじっと眺める。
彼らが自分たちの仕事の成果を眺める目つきには、微妙な、分析してみればそれぞれの日本人全部に共通するような、あるとらえがたい表情が含まれていた。
それは、車がつやつやと光り出したことに満足しているようであり、うつろで無意味な笑いを笑っているようでもある。
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堀田善衞『広場の孤独』より引用
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夏貴を、知らない深海生物でも眺める目つきで見ている。
ほどなくして寺の奥から、四神病院の者が泉を呼びに来た。
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畠中恵『百万の手』より引用
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ペイシーの言葉が彼の胸におさまるには長い時間がかかった。
やがて、ソプロスキンはゆっくりと、それとはわからぬほど微かにうなずき、どこか遠くを眺める目つきで低く言った。
「ありがとう」 彼は向きを変え、今度は夢の中にいるかのようにそろそろと歩きだした。
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ホーガン『巨人たちの星』より引用
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それは吼えかかる野犬を眺める目つき。
そこにあるのは、最初から言葉で解り合うことを全面的に放棄した、決定的な断絶だけだった。
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虚淵玄『Fate/Zero Vol.3 「散りゆく者たち」』より引用