相済まない

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  • 敗れては、十年以上も自分をみがいて来てくれたこの板の間に対してでも相済まない。 吉川英治『柳生月影抄』より引用
  • 月末になると請宿うけやどの主人が来て、まことに相済まないがおたけに暇をくれといった。 岡本綺堂『二階から』より引用
  • 菊池さんがそんな事にまで私のことを気にかけていて下さったのかと思い、それまで意識的に疎遠にしていたことを相済まなく思った。 石川達三『心に残る人々』より引用
  • だがそれでは、せっかく好意をみせてくれた彼女らに対して相済まない。 鮎川哲也『死者を笞打て』より引用
  • たしか明治二十四五年頃に、大先輩の片山先生が附けられた名前だと思うが、悪く云っちゃ相済まないんだがね。 夢野久作『無系統虎列剌』より引用
  • 相済まないと思っているのだ。 宮本百合子『渋谷家の始祖』より引用
  • それは、道子に対して相済まないという気持と同時に、道子の人柄のよさのようなものを示すいろいろの場面が思い浮かんでくるからである。 川上宗薫『赤い夜』より引用
  • それは親方に宛てたもので、単に御恩をあだに心得違いをして相済まないという意味がしたためてあった。 岡本綺堂『心中浪華の春雨』より引用
  • これは氷垣とは違って、見るからに老実そうな五十余歳の男であったが、その来意は氷垣と同様で、家の娘が途中で種々の御迷惑をかけて相済まないという挨拶であった。 岡本綺堂『怪獣』より引用
  • 恩人のあなたを見忘れるなどということは、たとえいかに当時とお変りになっているにせよ、相済まないことです。 吉川英治『三国志』より引用
  • 勅使がいらせられるというのに、合戦さわぎなどしては相済まないというのであった。 海音寺潮五郎『天と地と(二)』より引用
  • 近衛は「皇室に対して相済まないという責任感」からか、しみじみと語った。 勝田龍夫『重臣たちの昭和史 下』より引用
  • 女房などはさぞ拍子抜けだろうと、相済まなく思っている。 中野好夫/安野光雅編『悪人礼賛 ―中野好夫エッセイ集』より引用
  • この人からわざと意識して遠ざかったりしたことのあさはかさを後悔し、この人の好意に何ひとつ応えることができなかったのを相済まなく思った。 石川達三『心に残る人々』より引用
  • すると、ようやくわかってくれて、姐さん、相済まないって、そう言って詫びをしようと言ってるんだから、おまえさんもいつまでも堅いことばかり言ってないでさ。 麻生芳伸編『落語特選(下)』より引用
  • 五、憲法を護ることが出来なければ、明治天皇に相済まない。 豊田穣『革命家・北一輝』より引用
  • 先生としては、世話が焼けた話だが、自分としては、職務に対して相済まないと、米友の胸が騒ぎ出しました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • いや、罰金はともかく、立てんだ東京の住宅地で、このような金属的な声でワメき立てられては、実際にご近所の方々に相済まない。 安岡章太郎『夕陽の河岸』より引用
  • そこらの辻堂の中あたりにいくらも見られる絵馬であることは確かだが、絵馬だからといって、踏み砕いてしまったのでは相済まない。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • それに、第一、これほど御親切にしていたゞく奥さまに、重ね重ね相済まないといふ気がいたします。 岸田国士『秘密の代償』より引用
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