目を遮るもの

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  • 室が三階で前に目をさえぎるものがないから、空は近くに見えた。 夏目漱石『行人』より引用
  • しかし僕の目を遮るものはやはり深い霧ばかりです。 芥川竜之介『河童』より引用
  • なにしろこの辺は目をさえぎるものとてなんにもないのであった。 海野十三『棺桶の花嫁』より引用
  • それまでは島もなく目を遮るものとてもなかったが、ゆく手には石がごじゃごじゃに乱れ散ったようになっているのが望見される。 上村松園『余齢初旅』より引用
  • やがて森は尽き、目を遮るものとてない耕地に変わった。 イネス/池央耿訳『ベルリン空輸回廊』より引用
  • その平原は一面の砂石にして、処々に御花畑あるのみにて、目をさえぎるものなきのみならず、足を遮るものもなし。 大町桂月『層雲峡より大雪山へ』より引用
  • 右手の遠方に終点があって、市場らしい広告幟も遙かに見えるが、左の方は坂になっていて、今は電車も通っていないその坂の先は目を遮るものもなく白雲の浮いている大空へ消えこんでいる。 宮本百合子『日々の映り』より引用
  • 遥に水の行衛を眺めると、来路と同じく水田がひろがっているが、目を遮るものは空のはずれを行く雲より外には何物もない。 永井荷風『葛飾土産』より引用
  • 關東の地面は平坦で地が廣い、實に目を遮るものが無い。 田中正造『公益に有害の鉱業を停止せざるの儀に付質問書』より引用
  • 見渡す限り何一つ目を遮るものとてなく、ただ氷原が波のようにうねり拡がって、地平線の全周で闇の虚空に融け込んでいた。 ホーガン『ガニメデの優しい巨人』より引用
  • 遙かな地平の果てに、雪をいただいた一脈の山々がちぢこまって見える他は、目を遮るものとては何物もない、ただ一面の茫漠とした沼地であった。 伊藤野枝『転機』より引用
  • 苗のまだびない花畑は、その間の小径も明かに、端から端まで目を遮るものがないので、もう暮近いにも係らず明い心持がする。 永井荷風『百花園』より引用