百花繚乱
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名詞
83 の例文
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真美那に勝るとも劣らぬ美貌が遠目にもわかる。日差しを弾く髪は黒すぎて百花繚乱の庭の中でもっとも強い色に映る。しかも真鶴の瞳の強さはそれを軽く上回る玉の輝きだ。
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さて、二度目も秋ではあったが、快晴でハイマツの緑にドウダンツツジの葉の紅のまじった秋田駒本峰、草紅葉に被われた笹森、笊森の山々の美しい眺めは、北海道の大雪山旭岳の山頂から、沼ノ平あたりを見下ろしたような広大さで歓声をあげた。後者の旅は夏の八月であったから、まったく百花繚乱の趣そのもの。いちいち出あった花を書き出そうとして、心配なのは、つい最近の初秋に登った鳳凰三山の観音岳でタカネビランジやホウオウシャジンの百本近くを盗掘してつかまった男の話である。
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いくばくもなく、彼らは測定と観察、そして理知の力を鍵として宇宙を支配する法則を発見し、エネルギー制御と富の蓄積に新たな地平を切り開いた。これを契機にルナリアンの科学産業は一夜にして百花繚乱の繁栄を達成した。これにくらべれば、その後の地球の進歩は同じ筋道を辿りながらもここで迷い、かしこで躓き、文明への道程は遅々たるものだった。
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島安次郎は、日本の機関車と客車、貨車を見つめている。なにしろ、百花繚乱といっていいほどの多種多様な機関車が日本の線路のうえを走っている。
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案内者の話ではそう遠くない先のことだそうですが、わたくしが思うにその時代は百花繚乱のごとく詩人が輩出します。そんな時代の到来に神のお導きのあらんことを。
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官営鉄道もふくめて、各鉄道会社が、これまで、その都度輸入してきた機関車は、カタログをそのまま日本の線路へぶちまけたようなことになっていた。そういう機関車が百花繚乱と煙をあげて走りまわっている光景は、こと保修整備の仕事量では、絶望的な状態といってよかった。つまり、各社それぞれの個性に応じて保修整備をしなければならない。
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知らなかったわけです。私たちが生活するようになってから、私は屡〻新しい歓びとおどろきにうたれてそれを百花繚乱という表現やそのほかの表現で二人の間にもって来たが、例えば今こうやって書いている私の心を流れているものは、何と云ったらよいでしょう。これは小川かしら。
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口腹の欲が満たされて、嗅覚が解放されてみれば、いまでは「焼き肉」の芳香ではない数々の臭気が認識できます。しかし、そのにおいもまた夢を見ていて、夢に見られていて、幻想の百花繚乱です。繚れに擾れて、たがいに足をひっぱって、信じられない幻臭を濫りに奔放に編みます。
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それを殊更貶めるようなことを口にすべきではない。映画自体は百花繚乱といった有様ですけれど、どれもこれも似たような内容で、だったら最初から存在する意味なんてまるで無いのではないかというような感想を私は持つのです、と、熊の少女は言う。この間鑑賞した映画など余りに低俗で見るに耐えませんでした。
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極言すれば、妖精物語の中でそうしたものに塵ひとつないのは、天来の性質と言うべきである。鎖に錆ひとつ浮かんでいる惧れもなく、百花繚乱のガラス窓にくもりがあるとも考えられない。Oの物語について考えるとき、まず最初にわたしの心に浮かぶ言葉があるとすれば、「慎ましさ」という言葉である。
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いや、ありましたなァ。汗牛充棟、とはいかぬが、百花繚乱の色刷りが、段ボール箱につまった。この二カ月号分の、料理をシッカリ身におさめたら、優にデパート大食堂程度のレパートリーくらいは、一人でこなせる情報量に達するのではないか、と私には推定された。
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なお、現在では、北野武がヨウジヤマモトの服を着ているが、DCブランドブーム当時はイッセイミヤケやFicce uomoの派手なセーターを着ていた。DCブランドブームの前半期は、日本国内で独自の百花繚乱と言える多様なファッションが展開された点は特筆すべきことであった。
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例えば、有名なウィスキー会社で出していたPR雑誌などは、偉そうな先生や偉くなさそうな先生が好き勝手なことをいってまさに百花繚乱の趣きである。
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彼女はおそらく一国文化の建設ないし保存を担当した女性語り部の一人であったと思う。かかる伝統があってこそ、のちに仮名文字の造出を契機として、一時に百花繚乱たる姿を現じたのである。しかし、世のいわゆる国文学解説者は、この一連の伝統を知らざるかのごとく、訓詁註釈にのみ熱心なること比々然りである。
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死神はまた弥生に、眼下の水底を指さし示す。そこに弥生は、渦をまく濁流のかわりに百花繚乱たる常春の楽土を見たのだった。
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といっても成人むけ無修整DVDだけを想像してもらうのでは正確ではない。機材の進歩により低予算でも自由な作品づくりの場が広がり、ソフトショップの棚は百花繚乱の戦国状態になっている。ほぼ九割が箸にも棒にもかからないジャンク品とはいえ、残る10《テン》パーセントのなかには合議制の大手メーカーでは実現できない先鋭的な作品が埋もれていることがあった。
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まさに百花繚乱たるもんだな。しかし、気にするほどのことじゃないよ。
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