白々しい気持

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  • そして、めてはその度に砂利をむような白々しい気持をあじわうのだった。 田村泰次郎『肉体の門・肉体の悪魔』より引用
  • 人々の間に、ガラスの仕切りが張りめぐらされたような、白々しい気持だった。 蘭郁二郎『地図にない島』より引用
  • そのうちに、ふと白々しい気持になってきました。 豊島与志雄『春』より引用
  • ひとり工藤雄三は話題からはずされて、白々しい気持になっていた。 松本清張『小説東京帝国大学(上)』より引用
  • 教員時代の変に充ち足りた一年間というものは、私の歴史の中で、私自身でないような、思いだすたびに嘘のような変に白々しい気持がするのである。 坂口安吾『風と光と二十の私と』より引用
  • 高等学校の寮からけたら、学校の授業に出ても、自分はまるで聴講生みたいな特別の位置にいるような、それは自分のひがみかもしれなかったのですが、何とも自分自身で白々しらじらしい気持がして来て、いっそう学校へ行くのが、おっくうになったのでした。 太宰治『人間失格・桜桃』より引用
  • 高等学校の寮から脱けたら、学校の授業に出ても、自分はまるで聴講生みたいな特別の位置にいるような、それは自分のひがみかも知れなかったのですが、何とも自分自身で白々しい気持がして来て、いっそう学校へ行くのが、おっくうになったのでした。 太宰治『人間失格』より引用
  • 白々しい気持にまでつっかえされた私のおどけた気持は「あ、ひょっとしたら」と思うとたん、大きな不安の方へ馳せて行った。 梶井基次郎『梶井基次郎全一巻』より引用
  • しばらく唖然あぜんと突っ立っていたぼくは、折から身体をして行く銀座の人混ひとごみにもまれ、段々、酔いが覚めて白々しい気持になるのでした。 田中英光『オリンポスの果実』より引用
  • それを聞いたとたんに、目から鱗が落ちるとはあんな時の感じを言うのでしょうか、悲壮も厳粛も一瞬のうちに消え、私は憑きものから離れたように、きょろりとなり、なんともどうにも白々しい気持で、夏の真昼の砂原を眺め見渡し、私には如何なる感慨も、何も一つも有りませんでした。 加藤典洋『敗戦後論』より引用
  • それを聞いたとたんに、眼からうろこが落ちるとはあんな時の感じを言うのでしょうか、悲壮も厳粛も一瞬のうちに消え、私はきものから離れたように、きょろりとなり、なんともどうにも白々しい気持で、夏の真昼の砂原を眺め見渡し、私には如何いかなる感慨も、何も一つも有りませんでした。 太宰治『トカトントン』より引用
  • するといつどこにあっても、とたんに自分は「きょろりとなり」、すべてのことに「なんともどうにも白々しい気持」しか抱けなくなり、「映写がふっと中絶してあとにはただ純白のスクリンだけが残り、それをまじまじと眺めているような、何ともはかない、ばからしい気持になる」のである。 加藤典洋『敗戦後論』より引用