痛痛しい

全て 形容詞
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  • 四十という歳の割には老けて見え、小柄な身体が余計痛痛しく感じられた。 泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡 (亜愛一郎シリーズ3)』より引用
  • やはり一度咯血したことのある弱い細君の顏は痛痛しいほどやつれてゐた。 葛西善蔵『湖畔手記』より引用
  • 京子が一生懸命にしなを作れば作るほど、痛痛しい感じが先に立ってしまう。 泡坂妻夫『斜光』より引用
  • まだ十八になったばかしの、痛痛しいばかりに初々しい清楚な娘さんである。 織田作之助『十八歳の花嫁』より引用
  • 舞台での冴子は、持役の端役を痛痛しいまでに必死に稽古していた。 織田作之助『夜の構図』より引用
  • しかし関根の頬はまだ上気したように赤く、傷を手当てした布が痛痛しいほど白く見えた。 藤沢周平『麦屋町昼下がり』より引用
  • 女は痛痛しい視線で私を見上げた。 南部修太郎『ハルピンの一夜』より引用
  • メグミの死様しにざまのほうがはるかに痛痛しいとも言えるが、彼の周りには、生前からなにか死の臭気とでも呼べそうなかすかな予兆を感じていたように思う。 鳥飼否宇『中空』より引用
  • 私はふと気がつくと、シロがぐったり首垂れて、しかも耳から鮮血を白い毛並のあたりに、痛痛しく流しながら帰って来るのを見た。 室生犀星『幼年時代』より引用
  • 少女は痛痛しい顔を見せた。 田中貢太郎『緑衣人伝』より引用
  • 昨夜は気づかなかったが、左手首には包帯が痛痛しい。 鳥飼否宇『中空』より引用
  • その目尻から左頬にかけて、痛痛しく変色した腫れが見えた。 藤沢周平『三屋清左衛門残日録』より引用
  • 手首になわあとが残っているのが痛痛しい。 麻生俊平『ザンヤルマの剣士 第二巻』より引用
  • そんな兄君らの多情さに較べると、二条への、性助法親王の思い詰め方が痛痛しいまでに純な、まじめなものに思えてくる。 杉本苑子『新とはずがたり』より引用
  • と私は痛痛しく眺めた。 室生犀星『性に眼覚める頃』より引用
  • そして所所ところどころに 幾つかの 不格好ぶかくかう胴像トルソが どれも痛痛いたいたしく 手を失ひ、 あしを断たれて、 真白まつしろな胸に 黒い血をにじませながら立つてゐる。 与謝野晶子『晶子詩篇全集』より引用
  • 足袋裸足で痛痛しい、胸が開張はだけて、雪の肌が白百合の匂ひ、島田の根が外れて忙しい呼吸いきづかひである。 萩原朔太郎『二十三夜』より引用
  • 泥醉の翌朝に於けるしらじらしい悔恨は、病んで舌をたれた犬のやうで、魂の最も痛痛しいところに噛みついてくる。 萩原朔太郎『宿命』より引用
  • もともと気丈な唄子だから、泣き叫ぶような真似はしなかったが、かえってじっと唇をみしめている姿が痛痛しく、正視することがむずかしかった。 泡坂妻夫『喜劇悲奇劇』より引用
  • やがて近づくであらう所の、彼の殘酷な教育から、防ぎたい疾病から、性の痛痛しい苦悶から。 萩原朔太郎『宿命』より引用