痛いたしい

全て 形容詞
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  • と、もの静かに礼をいう婦人の脚部に巻かれた包帯が、痛いたしかった。 荒俣宏『帝都物語1』より引用
  • のどのあたりに寄った多くのしわが、言葉をしぼりだすたびに痛いたしく伸び縮みした。 荒俣宏『帝都物語3』より引用
  • きっと、あそこでは何か痛いたしい、血なまぐさいことが行われているにちがいない。 安岡章太郎『花祭』より引用
  • 兄も妹も、はっと目をひくほど、うつくしい顔だちをしていたが、ふたりとも痛いたしいほどやせている。 上橋菜穂子『守り人シリーズ05 神の守り人 来訪編』より引用
  • これまでにも何度かこの壁画を見にきたが、いつも金堂のなかが暗い上に、もう何処もかも痛いたしいほど剥落はくらくしているので、殆ど何も分からず、ただ「かべのゑのほとけのくにもあれにけるかも」などという歌がおのずから口ずさまれてくるばかりだった。 堀辰雄『大和路・信濃路』より引用
  • 町工場の社長とは見えぬインテリ風の細おもてである上、いかにも神経の繊細そうな容貌がさらに苦悩にゆがんでいて、見るからに痛いたしかった。 筒井康隆『富豪刑事』より引用
  • 正直に自己をつきつめた、痛いたしい魂の産物である。 芥川竜之介『僻見』より引用
  • 昨日、私たちは新宮に着き、那智なちの滝へ案内されたのだが、鎌倉積かまくらづみというのかデコボコだらけの長い石段を下りるとき、ふとKが滝の方は見ずに眼を足もとに向けて一歩一歩、けんめいに足を踏みしめているのが痛いたしく目についた。 安岡章太郎『夕陽の河岸』より引用
  • まるでびついた歯車のように、時は耳ざわりな悲鳴をあげながら、痛いたしく時の羽根車を回そうとする。 荒俣宏『帝都物語1』より引用
  • 肩の表情は痛いたしかった。 梶井基次郎『雪後』より引用
  • 元司は痛いたしい気がした。 藤沢周平『回天の門』より引用
  • 痛いたしく見える微笑だった。 藤沢周平『隠し剣孤影抄』より引用
  • それが痛いたしく見えた。 藤沢周平『喜多川歌麿女絵草紙』より引用
  • これは痛いたしいほど新鮮で艶っぽく、そしてみずみずしいが、痒さでうずうずしている。 開高健『(耳の物語1) 破れた繭』より引用
  • とびらが締まる直前、肩越しにうしろを振りかえったコナンは、長ながと延びる回廊の、おぼろな遠景と、そのむかいがわにある戸口のうす暗がりから、痛いたしいほど遅々として這いすすんでくる、蛇に似た妖怪を一瞥した。 R・E・ハワード『不死鳥コナン』より引用
  • 下腹はぺしゃんこで、盲腸の手術の痕が光り、そこにストリングが痛いたしく食いこむ。 開高健『ロマネ・コンティ・一九三五年 六つの短篇小説』より引用
  • スウィングする事もいらない、一切合財、拒むというコルトレーンは、耳に痛いたしく聴こえた。 中上健次『十九歳のジェイコブ』より引用