疳高い

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  • その時、隣室に寝かせてあつた彼の三才の子供が疳高く、怯えた泣声を挙げた。 牧野信一『父の百ヶ日前後』より引用
  • 帰って見ると下宿のおばさんが疳高い調子で新聞記者が三人も来て、私の部屋へあがり込んで、机の抽出から私の写真を持って行ってしまったと訴えるのだった。 石川達三『心に残る人々』より引用
  • 銃士の一人がスイッチを入れて行ったと見え、壁の上に口を開けた拡声器からは、東京市郡全体の、戦争のような捜査の行進状態が、狂い出した鸚鵡のような疳高い声で絶え間もなく報告される。 久生十蘭『魔都』より引用
  • 柿崎の声がオクターブを上げ、負けずに沢木の声も疳高かんだかく弾んだ。 高杉良『生命燃ゆ』より引用
  • 顔を見ずに、陽子は疳高く言った。 織田作之助『土曜夫人』より引用
  • ちょっと見には、つんとしてなにかかげの濃い冷い感じのある顔だったが、結局は疳高い声が間抜けてきこえるただの女だった。 織田作之助『雪の夜』より引用
  • 突然子供の疳高かんだかい声が飛び込んできた。 服部まゆみ『一八八八 切り裂きジャック』より引用
  • コメリオ氏が、例の神経質なかん高い声で言っているのだ。 シムノン/宗左近訳『男の首』より引用
  • と、疳高い声が心配そうに訊いた。 海野十三『深夜の市長』より引用
  • 女は、脳天から突き抜けるような、疳高かんだかくて舌っ足らずなしゃべり方をした。 中島らも『今夜、すべてのバーで』より引用
  • フロアにはタバコの煙が渦を巻き、ブルース・リーが一人だけ、誰も観ていないテレビからかん高い叫声きょうせいを張りあげる。 樋口有介『楽園』より引用
  • というのは、前の晩に聞いたあのかん高い、金属的でいのちのこもっていない声は、その抑揚と表情のない、軋りながらもぺらぺらとした調子と、人間離れしているほどの正確さと慎重さという点で、とうてい忘れられるようなものではなかったからだ。 ラヴクラフト全集1『04 「闇に囁くもの」』より引用
  • その気もちを、ぶち破ったのは、オルガ姫の疳高かんだかい悲鳴だった。 海野十三『地球要塞』より引用
  • 長男の嫁である志津子が、内心の動揺を隠そうとするかのように、ややヒステリックなかん高い声でいった。 胡桃沢耕史『翔んでる警視正 平成篇4 ランバダに酔いしれて』より引用
  • 澗間たにま凹地おうちに引出された女どもの疳高かんだか号泣ごうきゅうがしばらくつづいた後、突然それが夜の沈黙にまれたようにフッと消えていくのを、軍幕の中の将士一同は粛然しゅくぜんたる思いで聞いた。 中島敦『李陵』より引用
  • その途端に私は何かしら悪いことが起ったような感じがして、じっと聞耳を立てると、テントの外から、又、妙に疳高かんだかい声が響いて来た。 中島敦『虎狩』より引用
  • 轡川のくどくどと何かかき口説く様な調子を帯びた声と、明日子のそれに答えるキンキンとした疳高い冷淡な調子の声をきいていると、いよいよ別れ話だなと思った。 織田作之助『ひとりすまう』より引用
  • 大山副社長が同じことを何度言わせれば気が済むのだと言いたげに、エキセントリックとも思える疳高かんだかい声でまくしたてた。 高杉良『生命燃ゆ』より引用
  • 台所から母が疳高い声で引き取った。 赤瀬川隼『捕手はまだか』より引用
  • 疳高い叫び声と同時にオルガ姫は、とぶように駈けてきた。 海野十三『地球要塞』より引用
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