疎々しい

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  • 何故なぜ、父や弟にばかり親切にして、自分にはそう疎々よそよそしいのであろう。 島崎藤村『破戒』より引用
  • というは他の事でも無い、お勢がにわかに昇と疎々うとうとしくなった、その事で。 二葉亭四迷『浮雲』より引用
  • けれどもそれらは決して私と漱石氏との間を疎々うとうとしくするほどの大事件ではなかった。 高浜虚子『漱石氏と私』より引用
  • 宮は疎々うとうとしい待遇を受けるというような恨みを述べておいでになった。 与謝野晶子『源氏物語』より引用
  • 夕霧は、疎々うとうとしい夫婦仲、というものについては、想像しにくかった。 田辺聖子『新源氏物語』より引用
  • うれしきは月の客人まれびと、つねは疎々うとうとしくなどある人の心安げによりたる。 樋口一葉『あきあはせ』より引用
  • 父宮の兵部卿ひょうぶきょうの宮とはもともと離れて育ったので疎々うとうとしく、むしろ源氏になついて、父とも兄ともまつわって育った紫の君だった。 田辺聖子『新源氏物語』より引用
  • 少なくとも田川夫人の前では、船客の大部分は葉子に対して疎々よそよそしい態度をして見せるようになった。 有島武郎『或る女』より引用
  • 一度自分に附文つけぶみなどをしてから、妙に疎々うとうとしくなっていたあの男が、婚礼の晩にどんな顔をして来るかと思うと、それが待遠しいようでもあり、不安なようでもあった。 徳田秋声『あらくれ』より引用
  • 実家からは断り状ときまっているような疎々うとうとしい兄弟仲です。 杉本苑子『絵島疑獄(上)』より引用
  • 桂三郎は、私の兄の養子であったが、三四年健康がすぐれないので、勤めていた会社を退いて、若い細君とともにここに静養していることは、彼らとは思いのほか疎々うとうとしくなっている私の耳にも入っていたが、今は健康も恢復かいふくして、春ごろからまた毎日大阪の方へ通勤しているのであった。 徳田秋声『蒼白い月』より引用
  • ここなら皇帝の疎々しい言葉も耳に届かず、大臣の逆鱗にも触れず、ご婦人からいみきらわれ蔑されることもなく、家来に裏切られることもありません。 セルバンテス/荻内勝之訳『ペルシーレス(下)』より引用
  • 私は国民新聞社を辞して衰滅に傾きつつあった『ホトトギス』を私一人の力で盛り返す事に尽力すべく決心したが、健康が何時も不十分であった上に住居を鎌倉に移したために従来頻繁に往来していた旧友諸君と自然疎々しくなる傾きになってしまった。 高浜虚子『漱石氏と私』より引用
  • 用事がなければ行く、さもなければ忙しい彼に忙しい時間を割かす程の必要もないと思つて、多少の嫉妬とひがみとを交へた感じで白川は疎々しくなることを望ましい事とは思はぬながら足は彼の門から遠ざかつた。 平出修『瘢痕』より引用
  • しかし、もしや最期ではないかと、心ぼそくなってくると、今まであまりにも疎々うとうとしく、水くさかった妻との仲が省みられ、心のこりに思われる。 田辺聖子『新源氏物語』より引用
  • 固より根がお茶ッぴいゆえ、その風には染り易いか、たちまちの中に見違えるほど容子ようすが変り、何時しか隣家の娘とは疎々うとうとしくなッた。 二葉亭四迷『浮雲』より引用
  • そういう時勢であったから椿岳は二軒懸持かけもちの旦那であごでていたが、淡島屋の妻たるおくみは男まさりのかぬ気であったから椿岳の放縦気随にあきたらないで自然段々と疎々うとうとしくなり、勢い椿岳は小林の新らしい妻にヨリ深くしたしむようになった。 内田魯庵『淡島椿岳』より引用