由無い

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  • 由無よしな慰藉なぐさめは聞かじとやうに宮はしながらかしらりて更に泣入りぬ。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • その志を行う前に故国の一族がりくせられて、もはや帰るによし無くなった事情とに尽きる。 中島敦『李陵・山月記』より引用
  • 今、由無き事を問い詰める結果、罪作りになり兼ねない事を恐れたからである。 大岡昇平『ながい旅』より引用
  • 夢ならずとば、我は由無よしなき処に来にけるよ。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • 治療の事は知るに由無しと雖とも鋭利なる石器骨器の存在を以て推せば外科的施術しゆじゆつは多少行はれしならんと考へらる。 坪井正五郎『コロボックル風俗考』より引用
  • 将門の方は和解の事画餅ぐわへいに属して、おもしろくも無く石井に帰つたが、三月九日の経基の讒奏ざんそうは、自分に取つて一方ひとかたならぬ運命の転換をもたらして居るとも知るよし無くて居た。 幸田露伴『平将門』より引用
  • 矢には羽根はねを付くる事有りしやいなかんがふるに由無し。 坪井正五郎『コロボックル風俗考』より引用
  • 生家さとなる鴫沢しぎさわにては薄々知らざるにもあらざりしかど、さる由無よしなき事を告ぐるが如きおろかなる親にもあらねば、宮のこれを知るべき便たよりは絶れたりしなり。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用
  • 今日一日の物質的損害の額は算するに由無よしなし、死傷も多大なり、生き残れる人々も明日の事を思いて、生きたる心地無し。 ニューコム・シモン『暗黒星』より引用
  • 折に触れては知らぬ趣きを見いだしつ、かゝるおもしろさもありけるものを、むかしはおもひ足らで由無くも云ひくだしたるよ、と悔ゆることあらん折は、花のおもはんところも羞かしからずや。 幸田露伴『花のいろ/\』より引用
  • 攻防いづれがいづれか不明だが、記には「こゝに将門まんと欲すれども能はず、進まんと擬するに由無し、然して身を励まして勧拠し、刃を交へて合戦す」とあるに照らすと、何様も扶等が陣を張つて通路をつて戦をいどんだのである。 幸田露伴『平将門』より引用
  • 御身此頃、俄かに心弱り給へるは、左様の由無き事ども思ひ続け給へる故ぞかし。 夢野久作『白くれない』より引用
  • 由無よしなき者の目には触れけるよ、と貫一はいと苦く心跼こころくぐまりつつ、物言ふも憂き唇を閉ぢて、唯月に打向へるを、女は此方こなたより熟々つくづく見透みすかして目も放たず。 尾崎紅葉『金色夜叉』より引用