生生しい

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  • それはなんの肉とも判らない血みどろになった生生なまなましい肉のきれであった。 田中貢太郎『蟇の血』より引用
  • それはなんの肉とも判らない血みどろになつた生生しい肉の片であつた。 田中貢太郎『蟇の血』より引用
  • 右手の山には地震の時の崖崩れが、未に生生しい赤い肌を曝している。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 巻いたほう帯からにじみ出ている赤い血、美しさ以上に生生しさを感じる。 高野悦子『二十歳の原点』より引用
  • しかし、夢を見ていたのだとすると、耳に残っている哀切な曲が生生しすぎる。 泡坂妻夫『折鶴』より引用
  • しかし彼等は僕等と同じ呼吸をして居る生生なまなましい現代人である。 与謝野寛『巴里より』より引用
  • 鋭い風切り音が、今も生生しく耳に残っているほどだ。 山田正紀『火神(アグニ)を盗め』より引用
  • 過ぎ去り、うつろなだけだとばかり思っていた過去が、生生しく眼の前に口を開いたのを、宇之吉はみた。 藤沢周平『又蔵の火』より引用
  • 彼の前の卓には飛び出して行ったときそのままに、わたしと鳶さんのさかなの小鉢や飲みかけのグラスが残っていて、この場が夢ではなく現実の続きなんだということを生生しく思い出させる。 鳥飼否宇『中空』より引用
  • 友蔵の言葉は、それを覆いかくしていた部厚い歳月をひきはがし、生生しく姿を現わした欲望にいきなり火をつけたように思われた。 藤沢周平『夜消える』より引用
  • 最初から、まるで相手の肩や背中をどやしつけながらいっているような逆説的な表情が、かえって生生しい真率さを感じさせる激賞の言葉の連続である。 長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(下)』より引用
  • 思いがけなく生生しい女の顔を竹二郎は見てしまった。 藤沢周平『又蔵の火』より引用
  • するとおたかの顔に、不意に生生しい女臭さが滲み出て、竹二郎を息苦しくした。 藤沢周平『又蔵の火』より引用
  • あの二通の電報が発表されたとき、どんなにすさまじい哄笑こうしょうが湧きあがったかは、まだ記憶に生生しい。 ルブラン/野内良三訳『ルパン対ホームズ』より引用
  • 馬方の混乱した頭には、咄嗟の場合、此の物凄い光景がぼんやりと瞳に映ったのみで、此れらの事が何を意味するか、とんと解釈がつかなかったが、間もなく彼は、さっきのエスという犬が同じように血を浴びて、その唇から生生しい赤いすじを滴らしているのを発見した。 谷崎潤一郎『潤一郎犯罪小説集』より引用
  • 蟇の尻尾の所が二つに裂けて、その血が口を伝ふてコツプの中へ滴り落ちたが、それが底へ薄赤く生生しく溜つた。 田中貢太郎『蟇の血』より引用
  • 人形のように色白で、家の中で眼が合ったりすると、ひっそりと微笑するだけだったおこうの顔が、生生しく思い出され、それは不意に天王社裏の長屋にいるお勢の顔に重なった。 藤沢周平『又蔵の火』より引用
  • 円環内を上下に貫く黒白の2線は、陰が極まれば陽が生じ、陽が極まれば陰が生じることを表し、円環全体で気が生生して息まず、永遠に循環することを示している。
  • 途端に散った墨の飛沫は、忠弥の顔に生生しい血しぶきを描き出しているのだった。 長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(上)』より引用
  • じっと見上げる視線に常にない生生しさを感じ取った絹見は、体全部を振り向けて高須に対した。 福井晴敏『終戦のローレライ(下)』より引用