生活の土台
14 の用例
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管理は厳しくてうるさいんですけど、きれいでしょう。
生活の土台ですもの、きちんとしておかないと、という社長の主義なのね。
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片岡義男『私はいつも私 片岡義男 恋愛短篇セレクション 別れ』より引用
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そのかくれていても消すことの出来ない経済の土台の一銭の切手に、男女二人の農民の群像が現れたことは、何と意味ふかいことだろう。
この絵は億の根拠が一銭であるとおり、日本の社会生活の土台にあるのは農民である、という事実を語っている。
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宮本百合子『郵便切手』より引用
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お互いが独身の時に、先ず自分自身の生活を、責任を持って築いていく。
いってみれば、結婚生活の土台は、お互いの結婚前の生き方にかかっているといえる。
一人で生きている時に、いい加減に遊びまわっていて、どうして生涯の伴侶を選ぶ確かな目が持てるだろう。
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三浦綾子『孤独のとなり』より引用
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昔の文学は常識からの飛躍であったとすれば、今日の彼等のとことんのところは、常識の埒外のものをもって常識のなかにとびこむ方向をとっている。
つまり生活の土台はちゃんと常識の中のもののままでかためてゆくことを眼目に文学をやっているようなところがあります。
だから石川なんて、尾崎の云っているように逞しい野性なんかどころか、おっそろしい皮の厚い実際性です、逞しき野性なんかという文学性で、尾崎は詩吟調の自身の文学から脱けられないのでしょう。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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エンジンの唸りを止めて作業台に向かい、スターター・モーターのコイルを巻きはじめた彼の姿を見て、私はつくづくそんなふうに思った。
生活の土台が今や足の下から崩れ去ろうとしている。
相棒は彼を見捨てようとしているのだ。
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イネス/池央耿訳『ベルリン空輸回廊』より引用
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飯が消化せられて生きた汁になつてそれから先の生活の土台になるとほりに、過去の生活は現在の生活の本になつてゐる。
中村光夫『明治文学史』より引用
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飯が消化せられて生きた汁になって、それから先の生活の土台になるとおりに、過去の生活は現在の生活の本になっている。
またこれから先の、未来の生活の本になるだろう。
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永井荷風『十六、七のころ』より引用
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勿論それは常によく手入れされ、見廻られ、より堅固にされるための種々の配慮が必要であることは自明なのですけれども、そのためのいろいろの忠言というものを、私は実に評価して、一箇の私事ならずとしてきいて居ります。
けれども、もし、私の生活の土台が二元的な危険をもっているならば、どうして今日まで私の人及び芸術家としての努力を統一的に高めて来ることが出来たでしょう。
私は、あなたのお心持を細かく立ち入って感じて、そういうことの思いつかれたことも分らなくはないのです。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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イギリスは従来、子供のための文学の分野では代表的な作品を出しているところである。
イギリスが大戦までは経済的に堅固であった中流生活の土台の上に立って、家庭生活というものを重んじ、子供の躾けや教育に重きを置いてきた。
その社会事情が反映して、十九世紀以後の英文学には「アリスの不思議な国旅行」「ピータア・パン」、ディケンズやアルコットの諸作など、世界の児童のために少なからぬ贈りものを与えてきた。
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宮本百合子『子供のために書く母たち』より引用
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先進国の生活は、中東からのこのような安い石油の上に立って、一蓮托生だ。
先進国以外の国、つまり生活の土台が安い石油であるという段階にまでまだ到達していない国は、この構図にまったく関係ない。
ちなみに、高度経済成長期の日本は、原油を一バレル五ドルで買えていた。
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片岡義男『日本語の外へ(上)』より引用
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次第次第に育って来る『働く婦人』をつぶす口実を、編輯長である私の答弁の中からひっぱり出そうとするわけです。
いくらブルジョア、地主の官憲がいけないといったところで、わたしら働く婦人みんな本当に腹から帝国主義戦争には絶対反対なのだし、雑誌の調子がきつくなって来たといわれても、わたしらの生活の土台となっている資本主義の世の中の行き詰りがまず日増しにきつくなって来ているのだから仕方がない。
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宮本百合子『ますます確りやりましょう』より引用
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先進国はその意味で一蓮托生だ。
湾岸戦争は、自由世界を代表するアメリカが、悪に対して立ち上がって正義を守ったのではなく、先進国の生活の土台がなにであるかを、率先して正直にさらけ出した出来事だった。
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片岡義男『日本語の外へ(上)』より引用
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もしそうだとすれば、何故私はこうして考え、よくよく考えずには返事出来ないものが内的の必然としてあるのでしょう。
それに、お話を伺ったとき、私はこのことと私の生活の土台云々のことが、ああいう下らぬ混雑につれて結びついて出ている、思いつかれている、そのことでは、率直に云って大変くやしかった。
そして、何だか腹立たしかった。
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宮本百合子『獄中への手紙』より引用
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大昔から中国人は、生没を問わず両親に対する不孝を〈不道〉すなわち「不敬罪」の法的範疇に入れ、最も厳しい形態の死刑を伴うものと考えた。
祖先崇拝は中国人の宗教生活の土台である。
その家族の死者たちの霊がやどるとされる位牌をまつる祭壇はどこの家にもあった。
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フーリック/大室幹雄訳『中国鉄釘殺人事件』より引用