生憎一

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  • が、手をやったポケットの中には生憎あいにく一本も残っていない。 芥川竜之介『十円札』より引用
  • いたらどうするだろうと思って探したが、生憎あいにく一人もそんなのは見付からなかった。 夢野久作『あやかしの鼓』より引用
  • 彼はこう云つてシガレットケースを取り出したが、中には生憎一本も煙草がなかつた。 浜尾四郎『殺人鬼』より引用
  • 車、車、車はおらんかなと四方を見廻したが生憎あいにく一輌もおらん。 夏目漱石『趣味の遺伝』より引用
  • 三月四日に私が見舞に伺うと、先生は生憎一時間余りの検査を終えた直後で、気分が秀れない様子だったが、少しの間話をするうちに、立原正秋の「帰路」を読んだが、終りの方に出て来る小堀遠州の茶杓ちやしやくの話が面白かった、と言われた。 高井有一『立原正秋』より引用
  • すると今度は燐寸マッチのない事に気が付いたので、ボーイを呼ぶ迄もなく、自分で立ち上ってへやの中を探しまわったが、灰落しには吸殻が山のように盛り上ったまま、どの机の上にも置いてあるのに、燐寸マッチ生憎一個あいにくひとつもない。 夢野久作『暗黒公使』より引用
  • 實は今朝佐原で舟を雇つて此津の宮まで廻らせて置き、我等は香取から其所へ出て與田浦浪逆浦を漕いで鹿島まで渡る積りで舟を探したのだが、生憎一艘もゐなかつたのであつた。 若山牧水『水郷めぐり』より引用
  • 葱は生憎あいにく一把もなかつた。 石川啄木『天鵞絨』より引用